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［翔にぃside］
雅紀はほんとに
末っ子の代表みたいな、末っ子らしい末っ子。
甘え上手で、素直で。
真っ直ぐで誰にでも優しい心と笑顔を向ける。
雅「翔ちゃん、翔ちゃん！これ見てー？」
「ん？」
俺が休日にリビングで勉強していても、構ってオーラ
全開で寄ってくる。
見兼ねた親父が「雅紀、翔は月曜日から試験が
始まるんだからな？」って諭してくれたりするけど。
雅「えー！つまんなーい！」
「…笑。いーよ、夜も勉強できるから」
雅「あひゃ！やったー！これ見てー？」
俺もね、寄ってくる雅紀が可愛かったから、なんだ
かんだ、いつも優先している。
今も漫画の本片手に「ここがね！すっごい
面白いのー！一緒に見よう？」ってさ。
「珍しい虫を見つけた」とか「ザリガニ捕まえた！」
とか言って、見せてくれたり。
「勉強机の上が水槽と虫カゴだらけじゃんか！笑」
雅「あひゃひゃ！俺も翔ちゃんとリビングで勉強
するからいいの〜」
「あっそ。笑」
こうやって俺が少し冷たく返したって、雅紀は全く
気にしない。
俺が「翔ちゃんって呼ぶな！」って言ったって
ちっとも聞いていないんだから。笑
まぁね、そういうとこ含めて全部が可愛いんだけど。
歳は一つしか変わらないけど、こうして末っ子感
たっぷりだから、弟って感じがすごいしてる。
雅紀は俺にベッタリだけど、友達も沢山いるから
休日はよく友達が誘いにきて。
友「雅紀〜、遊ぼ〜！！」
雅「ん、今いく！！河原で野球してくるねー！」
バタバタと家を飛び出していく。
親父が「相変わらず元気だな〜」って豪快に笑って、
母さんが「いつも楽しそうね〜」って。
夕方になってからドロドロになって帰宅した雅紀は
「翔ちゃん！お風呂一緒に入ろ〜！」って
俺の腕を引っ張る。
これもお決まりのパターン。
こうなったら、一緒に風呂に入るまでどうにも
ならないから…ね。笑
「野球、楽しかったか？」
雅「ん、楽しかった！！今度一緒にやろ〜？」
「ん、いいよ！」
雅「やったぁ〜！」
湯船に浸かりながらゆっくりお喋りを楽しむ。
雅「翔にぃ部活は？なんかやるの？」
「ん〜、迷い中…」
雅「そっか！俺、中学生になったらバスケやって
みたいから、翔にぃが先に入部しててくれたら
嬉しいな！」
「なんだそれ！笑」
雅「あひゃ！笑」
思いつきで言っているのか、本気で言っているのかは
分からないけど…
俺と同じ部活がいいなんて、可愛いこと言って
くれるよね。
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作者名：空
| 作成日時：2019年3月25日 20時
