3128.【3】 ページ28
［雅にぃside］
母「雅紀？…まーさ？
寝るなら部屋で寝たら…？」
…
「…ん、んん…」
リビングのラグの上で眠ってしまったみたいで、
お母さんに肩を叩かれて目を開けた。
「…んん、眠い…」
母「んふふ…部屋で寝ておいで。もう22時だから」
「…ん」
部屋にいこうとフラフラっと立ち上がったところで
一生懸命に勉強している翔にぃが見えた。
…あ、俺また宿題やってないや…
翔にぃの姿を見たら思い出しちゃった。笑
どうしよう…眠いしなぁ…
算数だから、たぶん一人じゃ解けないし。
でも前回もやるの忘れちゃったんだよね…
「おやすみ〜」って優しく声を掛けてくれた
お母さんの横を通る時に思わず一言…
「…宿題、またやってないや…」
母「えっ？」
思わずポロリと呟いてしまった。
そしたらパッと反応してくれたお母さんのすぐ後に…
「ここに、持っておいで」って翔にぃの声。
「ん〜…でも眠い、し…」
翔「眠くてもやるよ」
「えー…」
翔「えー、じゃないよ。ほら、早く！」
「んん…」
母「んふふ…よかったね」
よくないわ…笑
とか思いつつ、ほんとは少し嬉しかったりする。
気に掛けてもらってることも、教えてくれることも。
翔にぃにバレると宿題をやらされるってパターンが
多いんだ。
お父さんとお母さんはあんまり勉強のことは
うるさく言わないけど、翔にぃは「宿題くらいは
やった方がいいから」って。
分からなくて投げやりな態度をとった時も、根気強く
しっかり丁寧に教えてくれる。
大学生くらいになったらさ、きっと家庭教師の
バイトできるなって。笑
厳しいけどイケメンだからきっと女の子にモテるね。
「これー、2ページもある…」
翔「はは！すぐ終わるよ」
「えぇー…嘘だぁ…」
翔「いいから…笑。ほら、座れって」
翔にぃは勉強してたのに、それそっちのけで俺の
宿題を付きっ切りでみてくれる。
いつだって俺のこと優先してくれるんだ。
翔「ほらこれ、一昨日一緒にやったとこだろ？」
「あぁ…やったっけ？笑」
翔「やったじゃんか。思い出せば解けるよ？」
「…ん〜…っとねぇ…」
せっかく教えてもらっても、記憶を辿らないと
なかなか思い出せない。笑
「ね〜、ヒントは？」
翔「クイズじゃねーんだからな？笑」
「あひゃひゃ！」
結局、また一から教えてもらうことに。
だって全然覚えてないんだもん。
「もうやだ！算数きらーい！」
翔「はは！そんなこと言うなよ。笑」
翔にぃは得意だもんね。
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作者名：空
| 作成日時：2019年3月25日 20時
