2976.【5】 ページ26
［潤side］
お昼ご飯は
ハンバーガーセット。
バンズが魚のカタチで可愛くて、ここの水族館の
名物らしい。
「あ、ニモ！」
雅「ほんとだねぇ〜」
テーブルの前も小さな水槽になってて魚がいっぱい
見られる。
イソギンチャクから出てくるニモを発見して
嬉しくなっちゃった。
こういう時間を作ってくれた雅にぃに、改めて
感謝だな…と思って。
「ねぇ…雅にぃは何で信じてくれたの？
俺、聞かれたことにちゃんと答えなかったのに…」
今度は自分から話を切り出した…
雅「あひゃ！自覚あり？笑」
「…ん、素直になれなかっ、た…」
雅「そういう時もあるよね」
「…ほんと？」
雅「ん、あるでしょ。そんな時くらい。人間だもん」
雅にぃのニカッとした笑顔に救われる。
ワシャワシャっと頭を撫でてもらえて。
雅にぃはそれから「俺ね、意外と潤ちゃんのこと
よく分かるの。笑」って。
「似てるわけではないのにね」って茶化してくれて
空気を軽くしてくれる。
「…ふふ、俺の理解者だね」
雅「あひゃ！光栄だわ。笑」
たまたまなのかもしれないけど、今回はこうして
雅にぃが俺の理解者になってくれたお陰で救われた。
ランチの後もアシカのショーを観たり、色々回って
夕方までたっぷり水族館を楽しんだ。
雅「…潤、それ欲しいの？」
「んー…」
雅「買ってやろっか？」
「…ほんと？」
雅「うん、ほんと！」
「やったぁ〜！」
出口にあるお店やさんで帰り際に買ってもらったのは
大きなシロクマ。
抱き枕というより、ぬいぐるみって感じだけど
クタッとしてる感じと、大きさが何とも絶妙で。
「ありがと、雅にぃ！ずっと大事にする！」
雅「どういたしまして！」
助手席に座ってからも、ずっと抱っこしてた。笑
少しドライブしながらのんびり帰宅。
だと思ってたんだけど…
「…？」
雅「到着だよ！降りておいで？」
「…ご飯？」
着いたのはファミレスで…
雅「にぃ達が『みんなでご飯食べよう』って」
「…ん、いく！」
一瞬、躊躇いそうになってしまったけど…
「雅にぃのお陰で気持ちスッキリだから、ちゃんと
謝るし、話もできる！」
そう言ったら雅にぃは、しっかりと肩を抱いて
くれた。
先に店内にいた3人の『ごめんね』と、俺の『ごめん
なさい』が重なって「みんなしてそんな慌てなくたっていいじゃーん！笑」って雅にぃが笑う。
そしたら、あっという間にみんなの笑い声で
いっぱい。
雅にぃ、俺のこと信じてくれてありがとう。
END
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作者名：空
| 作成日時：2018年9月6日 18時
