2977.【災難続きの末っ子】 ページ27
［智にぃside］
潤「調べたら、分かる…？」
翔「ん、分かるよ。大丈夫」
潤「…ん」
突然の高熱が3日間も続いて、診察室のベッドで
不安そうな表情の潤。
「原因が謎だから…」って翔も困惑してたけど、
採血して調べてみようってことになって。
翔「辛かったら、目瞑って休んでていいからな？」
潤「…ん」
ベッドの横に椅子を持っていって、ゆっくりと頭を
撫でていたら次第に体から力が抜けていった…
翔「眠れたみたいだね」
「ん、よかった…」
1時間くらいで採血の結果が出た。
珍しい型のウィルスに感染してしまったみたい。
翔「とりあえず点滴して、2.3日は入院で様子見るけど
潤は若いし、体も丈夫だから重症化はしないと思う」
「よかった…」
翔「面会謝絶だけど」
「あらら…笑」
こうなると、和にも負担がかかるし、それを心配する
潤にも負担になる。
「でも、早く回復してもらう為にも頑張って
もらおうね」
翔「ん、そうだね」
診察室から病室に移動させても潤は目覚めなかった。
トイレ付きの個室。
2.3日はここで頑張ってもらうしかないね…
「話したかったけど…」
翔「ん、ごめんね。ちゃんと伝えるから」
「ん、お願いね。任せる！」
翔「ん、任せて。家のことは智にぃに任せる！」
「ん、任せてね。笑」
「んふふ…」「くはは！」って笑い合って、最後に
潤の頭を撫でさせてもらって病室を出た。
しばらくは俺も面会できないから…寂しい。
［翔にぃside］
「吐き気はない？」
潤「…ん、大丈夫」
「まだ熱が高いからな…そっちが辛い？」
潤「…ん」
2時間くらいして目覚めた潤にウィルスと入院と
面会謝絶の話をした。
原因が分かったことでホッとしたのか、情緒は
落ち着いているみたいで安心。
薬の副作用で吐き気が強く出る人もいるんだけど、
今のところ大丈夫みたい。
ただ、熱が高いのが続いているから、それはまだ
辛いみたいなんだけどね…
潤「…ょにぃ、は？」
「ん？」
潤「…てくれる、の？」
「ん、ずっといるよ。泊まるから大丈夫」
潤「…よかっ、た…」
不安はなくなったと言っても、面会謝絶で
一人ぼっちじゃ堪らないだろうから。
「心配いらないから。な？」
潤「…ん」
「熱も、すぐには下がらないけど、少しずつラクに
なるはずだから」
潤「…ん」
「眠くない」って言うから、ゼリーを食べさせたり
売店で買ってきた雑誌を一緒に見たりして
のんびりと過ごした。
早くラクになるといいね。
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作者名：空
| 作成日時：2018年9月6日 18時
