2965.【4】 ページ15
［雅にぃside］
仕事を終えて病院に直行。
双子のことは夕方、翔にぃが迎えにいったから。
和「ここ冷やす？」
智「…ん、ありが、と…」
潤「飲む？」
智「…ん、もらう。ありが、と…」
病室では双子が甲斐甲斐しく智にぃの看病を
していた。
そういえば翔にぃからLINEで『和と潤がお世話して
くれてるから、仕事戻ります。頼りになる』って
連絡きてたなって思い出して。
「2人がいてくれたら安心だね」
智「ん、…ふふ」
まだ力なく笑う智にぃだけど、今朝に比べたら…ね。
智「まだね…頭が、ちょっと痛く、て…」
「そっか…」
こうやって自分から弱いところを見せてくれて
安心する。
今は周りに頼ることが大事だと思うからさ。
「まだ熱いもんね…」
智「…ん」
頭に手を当ててそっと撫でたら目を瞑ってくれた。
和「さっき、アイス食べたいって言ってたから
売店で買ってくるね！」
潤「翔にぃに許可もらってるから！」
「りょーかい。お願いね」
こんな状況になっても、泣いてばかりではなくなった
双子を頼もしく思う。
智「…ふふ」
目を閉じたまま急に笑い出したからビックリしたけど
すぐに理由は分かった。
「頼もしくて嬉しいね！」
智「…ん、あいつらに、すげぇ支えて、もらってる」
「そうだね」
智「…まさき、にも」
「あひゃ！ありがと…」
智「…ふふ、こちらこそ…」
2人で静かに笑い合って、また頭を撫でていたら
智にぃはスーッと眠りに落ちた。
しばらくして病室のドアがそっと開いて、和と潤が
アイスを手に戻ってきた。
和潤「…買ってきたよ〜」
和「…雅にぃも食べる〜？」
潤「…翔にぃが買ってくれた〜」
寝てるって予測して静かにドアを開けたり、コソコソ
声でお喋りしたり。
こいつらは元々優しいけど、気遣ったり考えたり…
どんどん成長していることに驚く。
テーブルの上にアイスを並べて「どれがいい？」
とか「俺これっ！」ってやっている姿は昔と全然
変わっていないのに。
和「…智にぃバニラね。冷凍庫入れておくから
食べないでよ？笑」
「食べねーわ。笑」
和「んふふ…こっちで雅にぃも一緒に食べよ？」
「ん、そうする！」
「ここ座って？」って手を引っ張ってきて…
ほんと可愛いんだから。笑
ソファーでくつろいでアイス食べてたら翔にぃが
きて「よく眠れてるね〜」って智にぃの診察を
始めた。
和「熱、まだ高い？」
潤「どう？」
すぐに心配して寄っていく双子。
愛されてるね、智にぃ。
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作者名：空
| 作成日時：2018年9月6日 18時
