2710.【2】 ページ10
［和side］
智「無理しなくても
いいんだよ？」
潤「…ん、でも大丈夫…行く」
雅にぃが仕事に行く時にも少しだけパニクった潤。
でも智にぃのお陰で落ち着けて、学校も行くって。
智「連絡つくようにしておくから、何かあったら
すぐ連絡して？」
「ん、分かった。行こっか」
潤「…ん」
不安そうな顔をした潤は、智にぃにピタッと
くっ付いて「ちゃんと家にいてね…？」って。
智「ん、待ってるから。約束ね」
潤「…ん」
学校に着くまではちょっと不安そうな顔が
多かったけど、いつもの環境に落ち着きを
取り戻したみたい。
授業もいつも通りに受けていたし、友達とも
楽しそうに過ごしてた。
昼休みにそのことを、にぃ達にLINEしておいた。
潤「和、寄り道する？」
「フットサル行かないの？」
潤「ん、今日はいい。帰る…」
「じゃあ、一緒に帰ろ？俺も寄り道しない」
にぃ達の傍にいると、夢のことを思い出して
怖くなるのかな…
下校時間になったら、元気がなくなってしまって。
でも、寄り道していれば良いというものでも
ないらしく、帰り道は早歩き。
玄関のドアを開けてすぐ、智にぃにしがみ付いた。
智「んふふ…おかえり。がんばったねぇ」
潤「…ん」
智にぃは潤のことをしっかり抱き締めてあげてから
「和もありがとね」って俺の頭を撫でてくれる。
照れくさいけど、ちょっと嬉しい。笑
潤「どこも、いかない…？」
智「ん、行かないよ。潤の傍にいるよ」
潤「…よかった」
安心した顔して笑う潤を見て安心する。
だけど分離不安の症状は少しずつ強くなって
いって、にぃ達と離れられる時間がどんどん
短くなって…
翔「パパッと浴びてくるから。な？待ってて」
潤「…っ、や、だ…俺も…」
智「さっき浴びてきたから大丈夫。ココア入れて
あげる。和と飲んで待ってようね」
潤「…っ、んくっ…や…」
シャワーを浴びてこようとするだけで、この
嫌がりよう。
翔にぃを追いかけようとするから、智にぃが
腕を掴んで止めているけど、ポロポロ泣いてる。
同じ空間にいる誰かが居なくなるのが怖いみたい。
雅「潤？ここおいで」
潤「…っ、んっ、んくっ…」
智「ありがと、雅紀。お願いね。ココア
作ってくる」
雅「ん。おいで潤。和もおいで」
雅にぃの両側に俺らが座る。
潤はしゃっくり上げながら「みんながいないと
嫌なのに…」って。
心配と不安と、夢と現実の区別と…
色んなことが潤の心を追い詰めたんだろうね。
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作者名：空
| 作成日時：2017年10月3日 22時
