2743.【末っ子と先輩】 ページ43
［潤side］
先「じゃあな、和！」
和「またねー」
下校する時、校門のところで先輩に声を掛けられて
手を振る和。
「3年生？」
和「ん、そうだよ」
ケロッと答えるけど、敬語も遣ってないしさ。笑
でも時々あるんだよね。
和は先輩にも可愛がってもらってるから。
可愛い笑顔と、懐に飛び込む上手さなのかな。笑
本人は「ゲームの話で意気投合した」とか「この間
コンビニで会ったんだよね」とか、先輩と友達に
なったキッカケをなんてことないみたいに話すけど
すごいことだと俺は思う。
でもそうなってくると、和のことを見て
「生意気なヤツ」って感じる先輩がいることも
事実で。
先「お前、敬語も遣えないんだってな」
和「遣えますよ。遣わないだけ」
先「生意気なんだよ！」
和「あんたに関係ないじゃないですか！」
移動教室の途中ですれ違った先輩とトラブル。
これくらいの言い合いなら珍しいことでは
なかったから、俺もそこまで気にはしてなかった。
その場で言い合って終わりで、その後トラブルに
発展したことはなかったから。
だけど数日後トイレで和に絡んできた先輩は
前にも見たことがある人で…
前回の言い合いを根に持ってたのかな。
先「お前、邪魔なんだよ」
和「邪魔なんてしてませんけどね。笑」
バカにしたような和の言い方が気に食わなかった
んだと思う。
先「ふざけんな！」
…ダンッ！
和「…っ！」
和の胸ぐらを掴んで、壁に押し付けた。
先「口の聞き方に気を付けろ…」
和「…いってーな！触んな！」
先輩は和に「謝れ！」って迫って…
だけど和は謝らずに先輩を睨み付ける。
先「謝るまで何度でも虐めるからな…？」
和「勝手にしろ！」
結局、和が跳ね飛ばされてその場はそれで
終わったんだけど…
『謝るまで何度でも虐めるからな…？』って先輩の
言葉が、俺は心配で心配で。
もし俺が知らないところで、和が先輩に暴力を
振るわれたら…
そう思ったら居ても立っても居られなくなって。
先「なんだお前、邪魔だ、どけ！」
「あいつ、兄貴なんです…代わりに謝りに
きました。…駄目、ですか？」
和の代わりに放課後、先輩に謝りにきた。
先「なんなの、あいつ。生意気でムカつくん
だけど」
「…すみません」
先「お前に謝られてもね。怒りおさまんねーし」
先輩は俺に「どけっ！」って。
「許してください」
その場に居座ったら「邪魔だ…」ってお腹を
殴られた。
負の連鎖は、この時から始まったんだ…
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作者名：空
| 作成日時：2017年10月3日 22時
