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［智にぃside］
血が止まらなくて、
一時はかなり危険な状態だったらしい。
何とか回復してくれて、翌日には会話も出来たけど
「家がいい」しか言わなくって。笑
だから翔が、ギリギリの状態で自宅療養に
踏み切ってくれた。
翔「起き上がるのはまだ無理だからな？」
和「…ん、グルグル…」
翔「ん、気持ち悪いね。軽く目閉じて深呼吸
してみ？」
和「…ん、んん…」
酷い貧血で辛いみたい。
「力抜いてね〜…」
「はぁ…はぁ…」と苦しそうな呼吸…
ゆっくり上下する胸に手を置いてそっとさする。
翔はギュッと閉じられた目を優しく手で覆って
「軽く閉じてごらん？」って声を掛けてる。
和「…っ、ん…おぇっ…」
雅「よしよし…気持ち悪いね」
数日経っても、貧血の症状はなかなか改善しなくて
嘔吐の症状も出てる。
ベッドから起き上がるのも、ままならなくて…
潤「また痩せちゃったね…」
「そうだね…」
涙の跡を残して眠った和の腕をさすりながら
潤が悲しそうな顔をする。
翔「少しずつ、改善してるから…」
潤「…ん」
「落ち込んでないで応援してやらなきゃね」
雅「そうだね、頑張ってるんだもんね」
和が辛い時は、俺らが少しでも前向きで
いないとね。
和「…ん、ん…気持ち、わる、い…」
翔「横向いてごらん？」
起きている時は、気持ち悪さと目眩みたいな
症状が酷いみたいで、ほとんど笑わず。
そんな和を見ていると、どうしても心配で
堪らなくなる。
「はぁ…代わってやりてーな…」
翔「そうだね」
眠った和を前に、翔と2人だけの時は思わず
弱音がポロリ。
だって可哀想なんだもん…
「こんな痩せちゃって…」
翔「せっかく最近、ポッチャリしたお腹に
なってきてたのにね」
「ほんとだね…」
聴診される時、翔に「お肉ついてきたね」って
お腹をプニプニされて「んふふ♪」って
笑っていた和の顔が頭に浮かぶ。
これじゃあ、また後戻りだ。
しかもこういうマイナスの気持ちは、和に伝わって
しまうもので…
和「…っ、んくっ…よくなら、な…」
翔「そんなことないよ。少しずつだけど数値は
改善してるから…」
和「…っ、や…」
不安にさせてしまう。
雅「大丈夫だよ。ホットタオルしよっか」
和「…っ、んっ、んくっ…」
「ごめんなぁ…かず。応援してるから…」
和「…っん、んっ…」
俺がこのままじゃいけないんだって…
心配だし、不安だけど治る日までしっかり
励ましてやらないとね。
にぃちゃん強くなるから…
END
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作者名：空
| 作成日時：2017年9月3日 16時
