2656.【雅にぃの事故と兄達の絆】 ページ6
［翔にぃside］
雅「もうすっかり
秋服ばっかりになってたね」
智「ほんとだね」
雅「和と潤、喜ぶかな〜」
「ぜってぇ〜、喜ぶよ」
俺ら3人の休みが合ったから、双子が学校の
間に近くのショッピングモールに買い物にきた。
お店はどこも、すっかり秋仕様になってて
自由行動したり、合流したりしながら
何枚か秋服を購入。
双子へのお土産は3人で吟味して購入した。
色違いのチェックのシャツ。
あいつら絶対似合うし、喜ぶと思う。笑
「昼なに食べる〜？」
雅「焼肉！！」
智「…ふふ、昼から贅沢〜」
ショッピングモール内には焼肉屋がないから
少し車を走らせることに。
焼肉を食べながらも話すことはやっぱり結局
双子のことで。
他の話しをしてても、結局は双子の話題に
なっちゃうんだよね。
最後には「どんだけ好きなんだよ」って
笑って「帰って待ってるか。笑」ってことに
なったよね。笑
雅「わぁ…すごい雨」
智「走るか〜」
焼肉屋を出たら雨がザーッと降っていて…
珍しく雅紀よりはしゃいで駆け出した智にぃ。
後を追う雅紀と俺。
「ちょっと、待ってよ」
鍵持ってるの俺だし。笑
自分達の車がもうすぐってところまで走った時…
雅「…っ、智にぃ！危ないよ！！」
智「うわっ…」
ドスッ…
「…雅紀！！」
手前の車が急発進した…
飛び出した智にぃの腕を咄嗟に引いた雅紀は
車の前に飛び出して、跳ねられた。
智「雅紀！！…っ、雅紀！」
雅「…」
コンクリートの上に倒れた雅紀は微動だにせず…
智にぃが「雅紀！」って泣きながら取り乱して
抱き上げたら…
「…っ、マジか…」
智「…まさき」
後頭部からかなりの出血。
智にぃの腕をつたって流れ出る…
智「…っ、どうしよう…まさき、が…」
「待って、智にぃ。落ち着こう…」
完全にパニック状態の智にぃは泣き叫んで
雅紀の名前を呼び続ける。
落ち着かせなきゃ、雅紀のことも診なきゃ…って
思うのに手が震えて、呼吸が速くなる。
駄目なんだ俺。
こうやって想定外のことに弱い。
いつもリードしてくれるはずの智にぃが
こうしてパニックになっていたら、どうしたら
いいの…
涙まで出てきちゃって、もうどうしよう…って
俺までパニック気味で。
でも「救急車呼びましたからね」って
誰かの声で、ふと我に返ったんだ。
びしょ濡れの俺たちに傘をさしてくれている人。
「使って下さい」ってタオルを差し出して
くれる人。
沢山の人の存在に気が付けて少し落ち着けた。
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作者名：空
| 作成日時：2017年9月3日 16時
