2675.【次男の喘息発作】 ページ25
［翔にぃside］
季節の変わり目は
体調を崩しやすい。
喘息の発作も出やすい時期でもあって。
自分のことも心配しなきゃいけないのに、
なんでかいっつも後回しにしてしまう。
でもまぁ、医者ってそういうもんじゃん？笑
「微熱だから大丈夫だな。安静にしてよう」
和「むぅ…ゲームは？」
「ゲームくらいならいいよ」
和「あらしは？」
「はは！しょーがねーな…笑。いいよ」
和「やったぁ〜」
学校に行けなくて拗ねてる和には負けてしまう。
しょんぼり…して、膨れてるんだもん。笑
可愛い奴だ。
「ケホッ…」
咳が出てしまって、慌てて我慢する。
和「あらし、持ってきて〜？笑」
よかった…バレてない。
「はいはい。今、持ってきますよ。笑」
和「ちゃんと抱っこしてね？」
「分かってるよ。笑」
前に俺が階段の途中で「重い」ってあらしを
おろしたことがあって。
そしたらあらし階段で滑ってビビってたから…
それを見ていた和は「ひどい！」って怒っていて
未だに俺を信用してない。笑
「お兄様がお呼びですよ〜」
「ウォンッ！！」
「はは！分かるのか」
和のところに連れていってもらえると分かるのか
テンションマックスのあらし。
ケージから出して抱き上げながら、リビングで
朝食中の3人に、和の体調のことを伝える。
その時にも咳が出そうになって、慌てて我慢。
階段を登ろうとしたところで、我慢しきれなくて
「ケホッ…」っと。
そしたら、それに誘発されたように立て続けに
「ケホケホ…」と。
ヤバい…と思って無理に階段を登ろうと
したけど。
「…っ、ヒュッ…」
喘息の発作。
床におろしたあらしが「クゥーン…」って
鳴いて、咳を聞いた智にぃも「大丈夫？」って
来てくれた。
「…っ、…ケホッ…、ケホッ…」
智「ちょっと…待ってて、吸入器！！」
ここまでなったら、もう喋れない。
バタバタと階段を駆け上がった智にぃが
「雅紀！和のことお願い！」って。
そうだよね、心配掛けちゃうもんな…
「…、ケホッ…、まさ…」
雅「なに？」
俺の横を通過しようとした雅紀の足を掴んだら、
きちんと言葉を発していないのに…
雅「あらし？分かった、連れていくね」
「…っ、ん…ケホッ…」
和のところにあらしを連れていって欲しい…
そんな俺の気持ちを汲み取ってくれた。
潤「翔にぃ、大丈夫…？」
そして、潤が背中をさすってくれる…
あぁ…こんなに恵まれてる環境なのに。
この人達には悲しい顔させたくないな…
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作者名：空
| 作成日時：2017年9月3日 16時
