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［翔にぃside］
救急車で病院に
運ばれた和は、すぐに処置室に運ばれて
その後、検査が行われて。
診断は『くも膜下出血』
いかに早く治療するかにかかっているこの病気。
頭痛に苦しむ和を見てパニックになっていて
申し訳なかったな…って。
雅紀が適切に対処していなかったら、どうなって
いたか…
「雅紀、ありがとね…ごめんな？」
智「俺もごめん…」
雅「んーん、謝らないで？」
やっと冷静さを取り戻して謝る俺らに、雅紀は
「それにこれからが大変だと思うし」って
明るく笑う。
「そうだな…また頑張らせないといけないのか…」
雅「和なら大丈夫だよ」
智「みんなで支えよう」
これから脳外科の先生と治療法を相談する。
開頭手術となれば、精神的にも和はきっと
苦しくなる。
開頭しない治療法が和に有効でありますように…
そっと祈っておく。
「よろしくお願いします」
脳外科の先生は、和が前にもお世話になった
ことがある澤先生。
それから先輩も協力してくれる。
色んなデータを見ながら、和に合った治療法を
見つけていく。
状態、年齢などを考慮しながら。
和の場合は持病と恐怖症のことも含めてね。
［雅にぃside］
潤「…っ、んくっ…かず…」
「大丈夫だよ、潤…」
和が倒れた時から、ずっと泣いている潤。
背中をさすって慰めてみたけれど効果なし。
和が目を覚ますまでは、何をやっても駄目かな…
潤「…っ、やだ…離れ、ない…」
翔「また明日おいで。少し休まないと…」
潤「…っ、んくっ…や、だ…」
翔「潤？」
潤「…っ、んっ…や…」
翔にぃが立たせようとしても、頑として動かず。
「和の傍にいる」「離れない」って。
まぁね…あれだけ苦しむ和を見て、不安に
なるなって言う方が無理だとは思うけど…
無理矢理に連れて帰っても、休むどころじゃ
ないだろうな…って思う。
兄たちも同じこと思ったみたいで。
翔「潤？智にぃと雅にぃの言うこと聞いて、
ちゃんと休憩はとれよ？」
潤「…っ、んっ、んくっ…」
翔「そしたら病院にいていいから」
潤「…っ、ん…わかっ、た…」
翔にぃは「いいこ」って潤の頭を撫でて、
「治療について話してくる」ってICUを
出ていった。
「大丈夫だからね、潤。翔にぃと先生達が
ちゃんと助けてくれるから…」
潤「…っ、ん…、んくっ…」
ヒックヒックと忙しなく動く背中を、ゆっくり
さする。
2人で一つの和と潤。
潤の不安を思うと、俺まで胸が締め付けられる…
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作者名：空
| 作成日時：2017年9月3日 16時
