2621.【2】 ページ21
［雅にぃside］
夕食が終わり、
風呂からも上がって、リビングのテレビで
みんなでドラマを観てた。
和「アイスおいし〜 ♪」
「バカッ！お前2個目だろ！それ俺のだから！！」
和「きゃはっ！いーじゃん！ちょうだい？」
「返せ！やんねーわ！笑」
CMの最中にワチャワチャして…
俺がアイスを取り上げたから、和がいじけて
「ジュース飲むからいいもん」ってキッチンへ。
そんないつも通りの楽しい夜だったのに。
ガチャンッ…
グラスをひっくり返す音がして、一斉にキッチンに
向けられる視線。
智「和！！」
床に膝を付いた和が、胸をギュッと押さえながら
苦しんでて…
潤「発作？」
「薬…薬飲ませなきゃ」
和の傍に駆け寄った俺らは、ワタワタ…
「…翔にぃ？」
いつも真っ先に和に駆け寄って指示を出して
くれるはずの、あの人の声がしない。
異変に気が付いてソファーを見たら、頭を
抱えて震えている翔にぃがいて…
「翔にぃ…？」
声を掛けたのがマズかったのか…
ハッとした様に顔を上げた翔にぃは、涙を
零しながら「和！！」って叫んで、ものすごい
勢いで和の元へ。
パニックになってしまったのか、智にぃが
薬を飲ませようとしているのに構わずに
「和！」って何度も叫びながら体を揺すってる…
数日前、智にぃから話を聞いていたから
翔にぃの心が不安定だったことは知っていた。
聞いておいてよかった…
突然、翔にぃのこんな姿を見たらビックリして
対処できる自信がないもん。
智「翔？落ち着いて…薬飲ませないと」
潤「翔にぃ？どうしたの…」
2人から声を掛けられても、翔にぃには和しか
見えていない。
和の体を激しく揺すって「嫌だ」「和！！」って。
「こっちきて翔にぃ。大丈夫だから…」
翔「嫌だ…和！！…っ、離せっ…」
とにかく今は和に薬を飲ませることが最優先。
無理矢理に引き剥がして抑え込んだら、
俺の腕から抜け出そうとして泣きながら
もがいてる…
翔「…っ、離し、て…和、和…」
「大丈夫だよ、翔にぃ。今ね、薬飲んだから…」
翔「…っん、ん…、離し、て…」
智にぃの方を見たら静かに首を振られた。
そうだよね、こんなに取り乱した翔にぃを
近付けるわけにはいかない。
智「潤？和のこと見てて。病院いく準備
してくるから」
潤「…ん」
きちんと頷いて、和を腕の中に抱き締めた
潤だけど…ワケも分からず不安だろうな。
智にぃは荷物を準備して「雅紀は翔と
一番後ろに座って？」って、優しく笑った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2949人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：空
| 作成日時：2017年7月13日 21時
