2636.【3】 ページ36
［翔にぃside］
高熱で辛い中、
和が求めるのは潤で…
だけど今回、潤は和の傍にいる時間が短い。
呼ぶと来てくれる時もあるけど、数分で…
潤「そろそろ戻るね。レポート書かなきゃだし」
和「…ゅ、ん…」
バタン…と閉められたドアに向けられる和の
切なそうな顔を見たら、潤を追わずには
いられなかった。
リビングへの階段を降りている途中で
呼び止める。
「潤？もう少し、和の傍にいてやる時間
増やすこと出来ない？」
潤「…今はちょっと無理」
「あと少しでいいから。せめて、学校の話とか
もう少ししてやれない？」
潤「無理。テストもあるし、宿題だって
あるんだから」
正直、イラッとした。
『和のために使う時間なんてない』
そんな風に感じでしまったから…
智にぃも聞いていたみたいで「潤？そんなに
冷たい言い方しなくてもいいんじゃない？」って
諭してくれたけど。
潤「俺だって忙しいんだよ？」
「もちろん、それは分かってるつもり」
潤「じゃあ、放っておいてよ」
階段の上にいる俺を睨みつけて、階段を駆け下り
ながら、智にぃに「どいて」って怒って。
反発してくる。
潤「時間見つけたら顔出してるんだから、それで
十分でしょ？」
［雅にぃside］
翔にぃは潤に対してイライラして、毎日のように
言い合いをしてる。
和が潤を求めて不安定になって、それが比例して
体調も良くならないから余計に…
翔「お前が辛い時、和は傍に居てくれただろ？」
潤「だから何？俺も同じにしないと
いけないわけ？」
智「潤、言葉考えな」
「そうだよ、言い過ぎ」
潤「うるせーな」
俺らが潤の行動を責めて、叱ってしまうから
寂しかったんだと思う。
この時は「ほんと素直じゃねーな」くらいにしか
思ってなかったけど…
下唇をギュッと噛んで「どうせ俺は弱い人間
だよ」って。
俺らを睨みつけて階段を駆け上がっていった。
何の理由もなく、潤が和に会う時間を減らすわけ
ないのに。
いっぱいいっぱいな俺らは気が付けなかった。
いや、気が付こうとしてあげていなかった…
和がパニックを起こしかけて泣き叫ぶ度に、
潤が部屋で一人、耳を塞いで泣いていたなんて。
どんなに不安だっただろうと…
どんなに寂しかっただろうと…
だからね、気が付けた今…潤をしっかりと
腕の中に抱き締める。
「一人で抱え込むなって言ってんのに…」
潤「…っ、んくっ…だって…」
「んーん。ごめん。俺が悪かった」
もう辛い思いはさせないから…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2948人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：空
| 作成日時：2017年7月13日 21時
