2559.【2】 ページ9
［雅にぃside］
翔にぃが帰ってくるまで
まだ時間があるから、やっぱり仲直りして
一緒にゲームしてやろうと思って。
「…っ、かず！！」
ドアを開けて驚いた。
静かになったと思ったのは過呼吸になって
いたからで…
和「…っ、んっ、んっ…」
やっぱり泣いてたんだ…
しかもずっとここで。
「ごめん、和。ゆっくり呼吸して…」
和「…っ、…んっ…ん…」
呼吸法を伝えてみるけど、そんな余裕はない
みたいで、チアノーゼが出て唇も変色し始めて…
「ごめん、ごめん…和、ごめん…」
和「…っ、ん…、…さに、ぃ…」
「ごめんね。聞いてあげなくて…」
スマホを取り出して救急車を呼ぶ。
その間、和はずっと「ごめんなさい」「まさにぃ」
って謝ってきて。
呼吸もままならない状態なのに、一生懸命に
口を動かして…
「もういいよ、謝らなくて…俺のがごめん…」
和「…っ、…めん、なさ…」
「かず！！」
和「…」
クタッと腕の中で意識を失ってしまった和。
紫色の唇と、頬を流れる涙…
「おれ…最低だ…」
頭の中には後悔しかなくって…
どうやって救急車に乗ったのか、どこで翔にぃに
和を託したのか。
何も覚えていない。
気が付いたら診察室のベッドに寝かされていて
眉毛を下げて「…大丈夫か？」って優しく笑う
翔にぃがいた。
［翔にぃside］
病院に到着して和を託してホッとしたんだろう。
雅紀は処置室の前で意識を失っていたらしく
看護師が診察室のベッドに運んでくれていた。
目覚めて早々にしがみ付いてきて「ごめんなさい」
って繰り返して泣くから、話を聞くのに時間が
かかったけど…
「ん、分かった。目が覚めたら、話聞いて
やろう。な？」
雅「…っ、ん、…ん」
喧嘩した原因はよく分かった。
和と雅紀だと割とよくある原因だし『和の奴、
ほんと懲りないよな〜』って思ったりする。笑
「数日は入院になると思うから」
ティッシュを渡しながら声を掛けたら、雅紀の
口からは「どうしても入院させなきゃ駄目？」って
言葉が出てきて驚く。
分かってるだろうに。笑
「体調も良くなかったみたいだし、チアノーゼも
起こしてたし。入院で様子見ないと心配だろ？」
雅「そうだけど…」
「大丈夫。傍にいてやったらいいじゃん。
お前と遊びたかったんだと思うよ？」
雅「そうだよね。ゲームしてやればよかった…」
「目覚ましたらしてやってよ。笑」
雅「ん、そうする」
ちょっと弱気な雅紀は「仲直りできるかな」
なんて言ってる。笑
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作者名：空
| 作成日時：2017年6月14日 18時
