2558.【雅にぃ許して…】 ページ8
［和side］
翔にぃの当直が
2日間続くから「雅にぃの言うこと聞く」って
しっかり約束した。
2日目の朝は、智にぃが都内まで出掛けて
潤が図書館に行って。
「ねぇ、暇なんだけど…」
雅「お前も図書館行けばよかったじゃん！笑」
「図書館はゲーム出来ないから、つまんないもん」
雅「当たり前だろ！笑」
ほんとは雅にぃとゲームしたいのに、洗濯物を
干したり掃除機かけたり忙しそうで…
「あらしの散歩行っていい？」
雅「さっき行ったばっかりじゃん！あと2時間で
翔にぃ帰ってくるから。大人しくゲームでも
してろって」
「えー、つまんなーい！」
ピピピッ…
げっ…微熱かよ。笑
勝手に熱を計ったら37.4℃
知らない振りをして電源を切る。
「行っていいー？」
雅「熱、計ってからにして」
「計ったよ！なかったー」
雅「ほんと？ちょっと待って…」
庭で洗濯物を干しているから、すぐには
来れないと思ってね。笑
リードを手に、あらしを抱き上げて「行って
くるねー？」って廊下に出る。
雅にぃが「ほんとに？」「待って！」って
叫んでくるけど…
「ほんと！熱なかったー！」って叫んで
玄関を飛び出した。
正直ね、微熱程度なら大丈夫だと思ったんだ。
［雅にぃside］
やっぱり俺は和にナメられてる。
体温計の電源を入れたら、表示されるのは
37.4℃の数字。
どこが熱ないってんだ…
帰ってきたら叱ってやろうと思って待ってたら
ちょっと顔色が悪い状態で帰ってきて。
それなのに、何を言っても「ごめんなさい」の
一言がない。
「翔にぃに叱ってもらうからね」
和「やだ！！」
「じゃあ、ごめんなさいは？笑」
和「違うもん！体温計壊れてたんだもん！」
ついつい俺もイライラしてきてしまって…
「もう知らねー」
睨んで勢いよく立ち上がったら「わかった…
ごめんなさい」って慌てて呟くのが聞こえたけど。
「知らん！」
今度は俺が素直に引けなくなった…
弟相手に、ほんと何やってんだって思うけど
イラっときたら突き放してしまう。
「ごめんて…」って追いかけてくるのが
分かったけど、知らない振りして自室に。
バタン…
ドアを閉めてベッドに座る。
和「ねぇ、ごめん、なさい…」
「…」
ドンドンと叩かれるドア。
無視を続ける俺。
和「…っ、んっ…ごめんな、さい」
あれ…？
もしかして、泣いてる？
泣かせるつもりはなかったんだけど…
耳を澄ませてみたら今度は何も聞こえない。
諦めてリビングか自室に戻ったかな。
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作者名：空
| 作成日時：2017年6月14日 18時
