2553.【3】 ページ3
［智にぃside］
一度すれ違って
しまうと、気持ちってなかなか戻らなくて。
きちんと話す機会を作れば、話は別なんだろうけど
それぞれ忙しくもあってね…
和は翔と話すのを避けて、水分量をきちんと
表に書いたり、体温計も机の上に置いて見て
もらおうとしたり。
夕飯の時間は潤が気を遣って5人共通の話を
してくれたりするけど。
翔「このままじゃ、俺らも頑固だよね」
「そうだね。笑」
雅「もう一回、考えてみよっか」
翔「だな」
ビールを飲みながら、あの日を振り返る。
和の朝の様子、診察した時のこと、俺らが
帰って来た時…
行動はもちろん、言動と表情まで思い出して
あーだこーだ言い合う。
そんなんしてるうちに「俺らってほんと、兄バカ
じゃない？笑」って笑ってしまう。
溺愛し過ぎだよ。笑
色々話して、いき着いた答えは「俺らの為って
思ったんじゃない？」ってことで。
そうかもしれないね。
和は俺らの為に、無理をしてくれたんだと…
翔「…そうなんだろ？」
和「…」
翌朝、テレビゲームをする和に向かって
話をしてみた。
食事の後にそのまま話そうとしたら
「もういいの！」って逃げられてしまったから。
雅「俺らが悪かったよ…気が付かなくてごめん」
和「…」
黙って俯いていた和だけど、しばらくしたら
コクコク頷き出して、ポロポロ泣いて。
雅「泣き虫。笑」
和「んん…」
雅紀がからかいながら肩を抱く。
和は「ほんとのこと言ったら、にぃ達が
気にしちゃうと思って」って。
「そっか、そっか。それで話さないでいようと
思ったんだね…」
和「…っ、ん、ごめん、なさ…」
「んーん、俺らもごめん。ありがと…」
翔「ごめんな、分かってやらなくて」
みんなで「ごめんなさい」だの「ごめんね」だの
言い合ってたら…
潤「くはは！仲直りできてよかったね！！」
縁側に座って、あらしを膝に乗せながら
黙って成り行きを見守っていた潤が一言。
俺らの方を振り向いてニコニコ言う。
翔「くそっ…笑。可愛いなお前！！」
潤「くはは！！」
うん、俺もそう思ったけど…
真っ先に反応したのは翔で。
腕の中にガシッと捕まえて、頭をクシャクシャと
撫で回してる。笑
和「きゃはっ！潤の髪の毛ボサボサ〜」
「ふふ…ほんとだね」
いつの間にかみんなが笑顔のいつものリビングに
なってて…
雅「やっぱりこうでなくちゃね！！」
翔「ん、潤も色々ありがとな！」
潤「くはは！」
一件落着！
で、いいかな？笑
END
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作者名：空
| 作成日時：2017年6月14日 18時
