2387.【2】 ページ37
［翔にぃside］
智「かーず…
これ以上はやめときな。お前も後悔するんだから」
和「…っ、んっ、んくっ…」
智にぃは和を和室に連れていってくれて、
落ち着いたタイミングで薬も飲ませてくれた。
「大丈夫か…？」
潤「…ん、へーき」
潤は潤んだ目を隠すように目をゴシゴシ擦って
「無理矢理に近寄ってごめんなさい」って
笑顔を見せて、自室へと戻っていった。
その後、さらに落ち着いた和は、就寝前まで
ソファーでゲームを楽しんでいて「おやすみ〜」
って部屋から出てきた潤に「ごめんね？」って
一言謝って。
この時、潤は笑顔で「俺もごめんね」って
言葉を返していたから…
この件はこれで終わりになると思っていた。
和からの言葉を想像以上に気にして、自分を
責めてしまっていることに俺らが気が付けたのは
それから数日後。
リビングで呑んでいて、一足先に「寝るね」
って部屋に向かった雅紀が「潤、たぶん泣いてる」
って戻ってきて。
「行ってみてもいい？」
智「ん、お願い」
雅「ここで待ってる」
智にぃと雅紀をリビングに残して、一人で潤の
部屋へと向かう。
耳を澄ませたら、確かに嗚咽が聴こえてくるかも…
そっとドアをノックして部屋に入ると、布団に
包まって丸くなっていて、背中が震えている
潤の姿。
「…じゅん？どうした？」
背中に触れたらビクッとして、それから
ゆっくりと振り返って顔を出す。
頬を伝う涙…真っ赤になった目が俺を捉える。
潤「…っ、んっ、んくっ…」
「…ん？」
潤「…んっ、んっ、…れ、…る、い」
到底言葉にはならない何かを呟いて、口を小さく
動かした潤が心配になって、頬の涙を指で
拭いながら手を伸ばす。
潤「…っ、…ょ、にぃ…」
「ん、おいで…」
その手を潤が掴んでくれたから、抱き起こして
背中をさする。
そしたら「俺が悪い」「どうして何もできないの」
「俺のせいで和は辛いのに」って。
「和が不安定なのは誰のせいでもないだろ？」
潤「…っ、んくっ、…でも」
そのまま潤と少し話をして、眠るまで傍にいた。
潤なりに思うことがあるんだろう…
智にぃと雅紀にも伝えるべきことを伝えて。
そしたら雅紀が「和に八つ当たりをされて
突き飛ばされたあの日が原因なんじゃないか…」
って。
確かに根本にはあるかもね。
潤「くはは！お前ずりーよ！笑」
だけど潤は、和の前では笑顔で過ごして
いつも通りに振舞って。
無理することで不眠と摂食障害の症状が
出始めてしまった…
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作者名：空
| 作成日時：2016年10月26日 18時
