2386.【自分を責める末っ子】 ページ36
［和side］
ここ数日、
ちょっと厳しくなった水分制限と、増えてしまった
薬のせいでイライラ。
誰のせいでもないと分かっているのに、素直に
甘えたりできなくてストレスが溜まって。
こんなの言い訳だけど…
「後で飲むから置いとけ！」
智「食後から30分以内だから…先に飲んで？」
「やだ！」
智「かーず？」
「…やだっ！」
あらゆる事にイライラして、些細な事で爆発して
納得できなくて…
たかが薬を飲むだけなのに、智にぃとぶつかって
しまう。
俺がイライラしてるの分かってくれているから
智にぃはゆっくり落ち着いて関わってくれていて。
それなのに俺はヒートアップ。
手から薬を奪い取って投げとばした。
翔「なにしてんの…」
一部始終を黙って見ていた翔にぃが近寄ってくる…
「くんな！」
翔「投げたらいけない物だろ？」
「うるせーや！」
強がってはみるものの、感情が高ぶるとさらに
コントロール出来なくて…
「…っ、んくっ、ばかっ、きらいっ…」
翔「かず…？」
意思とは関係なく溢れてきてしまう言葉と涙。
不安定になった気持ちは自分ではどうすることも
出来ないんだ。
誰のことも傷付けるつもりなんてないのに…
［雅にぃside］
潤「…かず」
俺と一緒にキッチンで洗い物をしていた潤は、
和が泣き出したのを見て作業の手を止めた。
「今はやめておきな。落ち着いたら傍に
行ってやって？」
精神的に不安定な時は、あんまり多くの刺激を
与えない方がいい。
本人が望んでいれば別だけどね…
今は「くんな！」って拒否を示しているし、
智にぃも翔にぃも傍にいてくれるから安心だし。
でも潤は、時間が経つにつれて黙って見ているのが
辛くなってしまったんだと思う。
「潤！やめとけって…」
俺が阻止するのを振り切って…
和「…っ、んくっ、くんな…」
服の袖で涙を拭きながら、翔にぃを睨んでいた
和のことを抱き締めようと近付いた。
和「くんな！！」
勢いよく立ち上がった和は、力いっぱいに潤を
押し返す。
一瞬のこと過ぎて、尻もちをついた潤を
誰もフォロー出来ず…
そんな潤に向かって和は「くんな！」「お前には
関係ないだろ？」って。
潤「…っ、かず」
和「しゃべんな！」
尻もちをついたまま動かないでいる潤に向かって
投げられたクッション。
翔「潤、こっちおいで。興奮してるから
待ってやって？本心じゃないから…」
翔にぃは潤のフォローをしてくれたし、智にぃは
和を止めてくれたけど…
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作者名：空
| 作成日時：2016年10月26日 18時
