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［翔にぃside］
雅紀には
可哀想なことしちゃった…
別に、雅紀の力を信じていないわけでは
なかったんだ。
ただ、相談くらいはして欲しかったなって思いと、
頑張り過ぎてしまうところが心配だっただけ…
それを素直に…というか柔らかく伝えることが
出来ずに喧嘩になってしまって。
さらには雅紀を責めるような言い方になって
しまい。
悲しそうな顔してて…可哀想だったなって…
先「翔くんは？どっちが良いと思う？」
「こっち…ですかね？」
先「ん、俺もそう思う。じゃあ、こっちで」
「お願いします」
先輩は治療方針を俺にも相談してくれる。
「お兄ちゃんが選んだ方法のが、雅紀くんも
嬉しいだろ？」って。
自分の弟みたいに、雅紀の頭を優しく撫でて
話し掛けてくれて。
「付き合い長いからな」なんて笑ってたけど、
きっとそれだけじゃないよね。
他人をここまで大切に出来るのは、間違いなく
先輩の優しさと気持ちだと思うから…
［和side］
智「まさ？明日はなに観る？」
ピッピッピッピッ…
翔「これにしようか。お前、これ好きだもんな？」
ピッピッピッピッ…
雅にぃからの返答はないけれど。
智にぃと翔にぃは、ほとんどの時間を病室で
過ごして雅にぃに話し掛けた。
雅にぃが大好きなDVDをレンタルしてきては
パソコンで上映して。
翔「ちょっと横向いた方がいいかな」
智「そうだね、そうしよう」
床擦れにならないように時間で何度も体位を
変えて。
智「お腹、空いただろ？唐揚げ作ってあげるから
目覚ましてさ、みんなで食べよう？」
翔「特別にさ、塩唐揚げも作ってやるから」
普通の唐揚げと塩唐揚げね。笑
雅にぃがたまにリクエストしてるけど「2種類は
めんどくさいからどっちか！笑」って
言われてるから。
ピッピッピッピッ…
病室に響くのは電子音だけ。
早く「あひゃひゃ！」とか「おっはよ〜！！」とか
元気な雅にぃの声が聞きたい。
いつもは「うるさい」って言ってしまうけど
今なら言わないから…
智にぃと翔にぃも同じように祈ってる。
マッサージも沢山してあげてる。
智「仕事、頑張るんだろ？」
翔「応援するから…」
付きっ切りで看病していた2人の兄の思いが
届いたのかな…？
数日経って、ゆっくりと目を開けた雅にぃは
「智にぃと翔にぃは、いつも応援してくれて
いたね…」って、嬉しそうに笑って。
ベッドの真ん中で智にぃと翔にぃに挟まれて
「もうどこもいかない」って幸せそう。
仲良くしてね？笑
END
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作者名：空
| 作成日時：2016年10月26日 18時
