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［智にぃside］
双子が眠った後、
「潤の血の固まらなさ、気になるんだけど…」
って翔が話を始めた。
雅「なんか、病気とか…？」
翔「その可能性はある。血小板が少ないのかな…」
「血液検査してもらえば分かる？」
翔「ん、そうだね。しようかな…」
心配ではあるけれど「大袈裟かな…」とも
言っていて。
翔「もう少し様子みるわ」
「ん、そうだね」
とりあえずその日はそれで終わって、数日後…
「ごめん、翔きて〜？潤が指切った〜」
食後のリンゴ剥きを手伝ってくれていたんだけど
スパッとやってしまい…
左手の薬指の腹から流れた血は、あっという間に
手を真っ赤に染めていく。
翔「すげーな…、やっぱ病院いこう…」
ガーゼで止血しながら翔が呟いたもんだから
和も潤もビックリして「なんで？」って
焦り出した。
翔「血が止まらなかったり、出血しやすくなるの
には原因があるから。調べた方が安心だろ？」
和「…病気？」
翔「いや、たぶん大したことねーよ？
でも、薬もらうとかさ…できるから」
翔は双子が不安にならないように、言葉を
選びながら…でも、誤魔化すことはなく説明を
してくれた。
翌日、学校を休ませた潤を連れて翔と病院へ。
血液検査をして結果を待つ。
潤「まだ結果でない？中庭で遊んできていい？」
体は元気だから、学校も行かなくて体力が
有り余ってるらしい。
「院内学級でボール借りよっと」って笑顔で
飛び出していった。
病院の勝手が分かってるからこそだよね。
トントントン…
それから10分くらいして顔を出したのは先生。
先「あれ？潤くんは？」
翔「すみません…遊びに行っちゃって…」
苦笑いで呟きながらも、翔の目は潤の検査結果の
用紙に釘付け。
「なにかあります…？」って口を開いたのは
少し時間が経ってからだった。
翔の予想通り、やっぱり血小板が少ないらしく…
先「このまま詳しい検査してみるか？」
翔「どうしよう…」
頭を抱えてしばらく悩んでいた翔は「とりあえず
今日はやめておきます…潤にも何も伝えず…」
って溜め息。
翔「…それでいい？」
「ん、いいよ。任せる」
後回しにしても良いことはないかもしれないけど
俺らが気持ちの整理をしておくことは大切。
そうじゃないと、俺らの不安とか戸惑いの気持ちが
双子に直で伝わってしまうからね…
その日、双子が眠った後に雅紀には翔から話を
してもらって。
珍しく動揺している翔を前にすると、俺の心臓も
うるさいくらいだった…
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作者名：空
| 作成日時：2016年10月26日 18時
