2358.【3】 ページ8
［雅にぃside］
目を覚ました時、
目の前に4人の顔があった…
「ごめん…」
高熱でどうしようもなく辛かったことは
覚えているけれど。
どれだけ心配掛けたのだろうかと…
どれだけの迷惑を掛けたのだろうかと…
そう思ったら不安になって涙が零れてきて。
でも、智にぃと翔にぃが「泣かなくていいよ」
「何も心配しなくていいよ」って沢山温もりを
くれたから。
翔「心配しなくていいから。このまま熱が
下がってたら、明後日には退院だから。な？」
「…ん、ありがと…」
その日、双子は病院から直接学校へと
出掛けて行った。
もちろん「ここに戻ってくるからね」って
手を振りながら。笑
「あのさ…」
翔「ん…？」
智にぃと翔にぃだけになった病室で、一番
気になることを聞いてみる。
「熱性痙攣ってまた起こるの？」って。
智にぃは「んふふ…翔先生に、ちゃんとに
説明してもらおうね」って優しく笑って
ベッドに腰掛けて肩を抱いてくれた。
熱性痙攣が怖いわけではない。
こうしてまた、自分が原因でみんなに迷惑と心配を
掛けてしまうことが嫌なんだ…
智にぃはそんな俺の気持ちに気が付いてくれてる。
翔「ちょっと待っててな」
「…ん」
病室を出て行った翔にぃはパソコンを手に
戻ってきて。
テーブルにパソコンと資料を置いて、俺の不安に
寄り添いながら詳しく説明をしてくれた。
それでも不安そうな表情が消えない俺に
気が付いて「まさき？」って優しく呼び掛けて
補足してくれた。
翔「誰にでも起こりうることだし、100%防ぐのは
難しい」
「…ん」
翔「でも、一定まで熱が上がった段階で解熱すれば
痙攣を起こさないことがほとんどだから」
「…ん、分かった」
モヤモヤした気持ちが全てなくなったわけでは
なかったけど、かなりスッキリした。
翔にぃが「ちゃんとみててやるから」って
イケめた顔して頭を撫でてくれたし。
智にぃも「頼っていいから」って笑顔だし。
双子は「俺らにできることあったら、なんでも
するからね」って張り切ってる。
和に限っては「バカは風邪ひかないって
嘘だったって証明できるね〜」ってさ。笑
和なりの愛情表現が嬉しかったりするんだ。
そんな4人に囲まれたら、不安も心配も
無駄な気がしてきた。
あんまり心配ばかりしていたら人生勿体無い。
なるようにしかならないんだから、前向きに
笑っていなきゃね。
笑ってたら、いっぱいいっぱい幸せが
やってくるから…
END
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作者名：空
| 作成日時：2016年10月26日 18時
