2128.【4】 ページ28
［翔にぃside］
直腸狭窄は症状自体も
辛いけど、治療はもっと辛いと聞いたことが
あった。
恥ずかしいなんて思いは吹っ飛んで、ただただ
痛みに耐える和を見ると、そのことがよく分かる。
和「…っん、んくっ…、もう、や…」
何とか座薬を押し込んだけど、ヒックヒックと
忙しなく動く背中…
さすりながら智にぃと2人で声を掛けて
落ち着くのを待つ。
智にぃの「痛かったねぇ…」って柔らかい声に
次第に呼吸も落ち着いてきた。
そろそろいけるかな…
「マッサージ頑張ったらおしまいだから
頑張ろうな」
和「…ん」
微かに頷いてくれた和の頭を撫でて、手袋をはめて
麻酔のゼリーをとる。
病院で使える麻酔より効果はないけど、使わない
よりは効果あると思うから…
そう信じて再び塗ってやりつつ、少しだけ
時間をおいて指でマッサージしていく。
和「…っ、んっ…、んー…」
「痛いな…頑張れ…」
和「…っん、んくっ…、や、だ…」
逃げそうになる腰を智にぃが抑えてくれて
何とか治療を進められる状態。
和「…っ、ん…、…たい、痛い…」
何とかやめさせようと背中に向かって振り回される
腕も、宙をまっておしまい。
体制をキープできている以上、俺らの方が
有利だからね…
「ごめんな…」と思いつつ、先生に教えてもらった
通りにマッサージすることで精一杯。
途中から声掛けは智にぃに任せて、俺はマッサージ
に専念した。
終わってからはグッタリ…
汗をかいてしまったから、シャワーを浴びさせて
ベッドに寝かせたら、すぐに寝息が聞こえてきて。
潤「かず…お疲れさま」
雅「頑張ったね〜、かず」
心配していた雅紀と潤に頭を撫でられて、寝顔は
さらに、安心したものへと変わった気がする…
和潤「行ってきまーす！！」
浣腸で便秘が解消されたことでスッキリしたことも
あり、翌日は元気に学校へ。
でも、夕飯後にはまた治療が待っているわけで…
「やりたくない…」って拗ねる和を、部屋まで
連れて行くのも大変。
和「…っ、んくっ、や…」
「ん、分かるけどね、かず…頑張ろうな…」
昨日より、今日…今日より明日。
少しでも痛みが少なくなると信じて治療を
頑張るほかないんだよ…
ベッドに寝転んでしゃっくり上げる背中を
さすりながらタイミングを合わせる。
和「…っ、ん…、いた、い、やー…」
浣腸の管を入れて、薬を注入。
仰向けに寝かせ直して、なるべくスッキリ
するように、お腹をマッサージ。
がんばれ…
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作者名：空
| 作成日時：2016年2月10日 18時
