2129.【5】 ページ29
［智にぃside］
一難去って、
また一難…
お腹をスッキリさせた後は座薬が待っている
わけで…
和「…っ、んくっ…、いた、いもん…」
「痛いもんね…」
翔「膝抱えて…頑張れ」
気持ちを受け止めつつ、翔が処置できるように
膝を抱えさせて軽く抑える。
翔「入れるからな、頑張れ〜…」
和「…っ、ん、…たいっ！」
翔「…っ！いて…笑」
激痛に怒った和が右手を後ろに振り上げた…
翔も油断してたんだろうね、昨日は避けれてたのに
今日は頭に思い切りヒットしちゃって。笑
和の手も痛かっただろうな…って程。
手元には、まだ座薬があるんじゃないかな…
「入った…？」
翔「…ん、ごめん。全く」
やっぱり…
「抑えきれないから、気を付けててね。笑」
翔「りょーかい」
足を抱え込ませて抑制するだけで手一杯だから
翔に避けてもらうしかない。
「かーず…手、こっちに置いておいて？」
和「ん、んぅ…、…たいも、ん、やだ…」
一応、和にも声は掛けておくけどさ…
それどころじゃ、ないだろうから。
翔「ごめん、もう一回な…？」
和「…っ、無理。もう、痛いから…やだ…」
「かず？逃げないよ…頑張れ…」
引こうとする腰に体重を掛けてから翔に合図。
翔「少しでも力抜いててごらん。
少しは違うんじゃない？」
和「…っ、ん…、ちがく、ない、痛い、の
変わらない、もん…」
昨日の痛みと、さっきの痛み…
思い出したら涙が溢れてきちゃったみたい。
和の頑張りでは痛みは軽減されないみたいで…
可哀想だけど、和の意思とは関係なしに
押し込むしかないらしいから…
翔「ごめん。我慢な…？」
和「…っ、んっ！」
翔が力を込めて、座薬を入れようとしているのが
分かる。
翔の力で和の体が押し上げられてしまう程
力を込めているのに、なかなか入っては
くれなくて…
和「…っ、…た、い、痛い…んくっ、はなし、て」
翔「もう少し…」
ポロポロ泣きながら、昨日みたいに背中に
回された手は宙をまう。
翔は、和の手が届かないところに上手く
ポジションをとってくれてるから。
和「…っ、んくっ、…痛い、…んっ、げほっ…」
泣きすぎてむせ込んだところで、やっと翔の手が
和から離れた。
「終わったよ、かず。がんばったね…」
汗と涙を拭いてやったら「もう嫌だ」って
泣きじゃくる。
そりゃあね、こんな痛いことばかり…
でもね、治療していくしかないってこと、分かって
もらうしかない。
助けてあげられない。
ごめんね、かず…
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作者名：空
| 作成日時：2016年2月10日 18時
