1886.【脳震盪】 ページ36
［智にぃside］
天気の良い休日。
みんなで釣りに来たんだ。
思ったより気温が上がって暑くなって、
そしたら雅紀と和が「アイス食べたい♪ 」って。
翔「適当に買ってきていい？」
雅「あひゃ！ありがとっ！」
潤「俺もいく〜」
なぜか「食べたい」って言い出した2人ではない人が
買い出しに出掛けるっていう。笑
我が家では、よくあるパターン。
釣りの続きを始めた雅紀の隣で、和はバケツを
覗いてる。
和「フグ触ってもいい？」
「いいよ」
和「きゃはっ！膨れた〜」
やっぱりフグがお気に入り。
和「新しい水、持ってきてあげよっと！」
空のバケツを持って、俺らに背を向けて
歩き出した和。
何も気に止めずに、竿の先に視線を移したら…
カタンッ…
ゴンッ…
バケツが防波堤に転がる音。
それと、ほぼ同時に大きな鈍い音。
直感で「やばい」って思った…
防波堤の上に仰向けで倒れている和。
「…っ、かず！」
雅「頭、打ってるよね？かず？かず！！」
肩を叩きながら呼び掛けてみたら、ゆっくりと
開かれる目…
雅「かず？分かる…？」
和「…ん、ん…？」
状況が分からないみたいで微かに首を傾げた和。
和「ん…、…たい…」
すぐに顔を苦痛に歪ませて両手が頭へと伸びる。
「頭痛いの？」
和「んっ…んん…」
表情を見ていたら、尋常じゃない痛みなのが
よく分かる…
［翔にぃside］
潤「溶けちゃうから早く、早くっ！」
「はは！そんなすぐ溶けねーから。笑」
コンビニから出てすぐ、俺の手を引いて
小走りの潤。
「冷たくて美味しそうだね」って目をキラキラ
させて、末っ子モードで可愛くて。笑
『この笑顔がずっと続けばいいな』って
思ってるのに、それは呆気なく崩れ去る…
「…っ！！」
潤「かず？…っ、かずっ！」
さっきまでワチャワチャしていたはずの
防波堤の上。
和「…ん、んん…」
今は、酷い頭痛に苦しむ和が横たわって…
心配そうに、それを見つめる智にぃと雅紀。
潤「…かず？」
「大丈夫。片付けて病院にいこう」
倒れた時の衝撃で脳震盪を起こしたんだろう。
頭痛が酷いみたいだからちょっと心配だけど…
雅「抱き上げて平気？」
「ん。あんまり動かさないように運んで
もらっていい？」
雅「了解」
雅紀がゆっくりと車へと運ぶ。
和を後部座席に寝かせて、とりあえず荷物を
トランクに詰め込んで…
「とりあえず急ごう」って、みんなで車に
乗り込もうとした時。
和「…っ…」
和が激しく嘔吐した。
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作者名：空
| 作成日時：2015年5月2日 14時
