1427.【3】 ページ27
［翔にぃside］
当直開けで帰ってきたら
リビングでポロポロ
泣いている和がいて。
智にぃが話しを聞きながら宥めてる。
「ただいま…何かあったの…？」
智「あ、おかえり。雅紀がね、ちょっと
無理してるみたいで…」
智にぃが「これ」ってテーブルに市販の薬を
差し出した。
和「…れっ、が、…きだし、から」
智「ん、和がね、雅紀の引き出しをから
見つけたんだって」
しゃっくり上げる和に変わって、智にぃが
色々と教えてくれる。
和は雅紀が出勤するまで黙って我慢してて
それから智にぃに打ち明けたんだって。
さっきから「俺のせいなんでしょ？」って
繰り返してポロポロ泣いてる。
不安な気持ちを抑えて我慢してた
反動なんだろうね…
智「和のせいじゃないよ？みんなに心配掛けたく
なかったんだよ…」
雅紀はきっと分かっていたんだと思う。
和がこうやって自分を責めてしまうこと。
大事だからこそ、泣かせたくない。
傷つけたくない。
きっとそう思って一人で頑張ってたいたん
だろうね…
智「雅紀ね？和に知られたくないから、病院には
行きたくないって言ってたんだ…」
智にぃは和を抱き寄せたまま、あの日俺に
話してくれた内容と同じことを和に伝える。
智「ごめんね…、もっと早くにこうして
伝えていたらよかった…」
雅紀が笑顔だったから。
和を傷つけたくなかったから。
そんな理由で俺らは双子には雅紀の夢のことを
伝えていなかった…
和はきっと異変に気が付いてから一人で悩んで
辛い思いもしたんだろうね…
智「でもさ…？」
智にぃはゆっくりと「こうして、和が気が付いて
くれてよかった…」って。
「そうだね…これ以上、雅紀が苦しまなくて
いいように守ってやろう？」
和「…っん、…れに、…きる、の…？」
智「多分ね、和にしかできない」
「そうだね…」
その意味を知った和は声を上げて泣き出して。
『俺、死なない？』
『どっかいかない？』
そう繰り返して縋ってくる。
智「だいじょうぶ、俺らがついてる。
翔先生がついてるよ。ね？」
「ん、みんながついてる。俺がついてる。笑」
和「…っ、ん…、っ…」
智「かーず、泣かなくて大丈夫…」
「だからさ？雅紀に伝えてやって？
大丈夫だからって話してやってくれる？」
和「…んっ、ん…、わかった…」
智「んふふ。ありがとう」
智にぃにギューってされて安心したみたい。
和は、涙を拭いてニコッとして「俺、
どこもいかない」って俺らを見つめた…
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作者名：空
| 作成日時：2014年6月15日 16時
