1418.【6】 ページ18
［翔にぃside］
和「…っ、わん、な…」
智にぃと両側から抱えて
無理矢理に玄関の中へと入れる。
嫌がって突っ張る足を雅紀が引っ張り…
結局また3対1…
智「意地張ってるのと違うよね…、ちょっと潤に
連絡してみる…」
智にぃの言う通り。
和の様子がいつもと違う…
雅「熱は？どう？」
「ん、大丈夫。心配ない…」
触れた感じ確かに少し熱いけど、今すぐに
処置しなきゃって程ではない。
脈も呼吸も落ち着いてるし、大丈夫だろう…
雅「…かず」
問題は和の心。
俺らに引きずられた状態のまま、ひたすらに
泣き続けて全てを拒否。
雅紀がタオルで足を拭こうとしたら、嫌がって
反り返ってドアに頭をぶつけてしまったから
それ以上はやめた。
怪我させたんじゃ意味ないから。
黙って見てるだけしかできなくて悔しいけど…
そのうちに智にぃが戻ってきて、潤が電話で
話してくれたことを教えてくれた。
捨ててあったお弁当は落とした物だったこと。
和が「全部食べなきゃ…」って少し追い込まれた
感じだったこと。
俺らはそれにさらに追い打ちをかけて
しまったんだ…
智「…めん、かず。ごめんね…」
智にぃが声を掛けても和は反応しない。
触れようとすれば後ずさって拒否…
智「潤が帰ってきてくれるって…」
智にぃは「申し訳ないけど、潤に頼ろう？」って
肩をガクリと落とした。
［潤side］
智にぃから電話がきて嫌な予感しかしなかった…
丁度、ご飯を食べながら和のことを考えて
いたから。
一言でもメールをしたら良かった…
責任を感じずにはいられなくて、俺はすぐに
帰ることにした。
フットサルのコーチと仲間に挨拶をして
足早にお店を出る。
自転車で来てよかった…
帰り道は和のことで頭がいっぱい。
どうやって帰ったかも覚えてないくらい。
「…っ、ただいまっ！！」
駆け込んだ先にいたのは兄貴たち。
和はドアにピタッと背中をくっ付けていて
俺のことは見ようともしない。
智にぃから電話で説明はしてもらったけど
まさか、ここまでとは思わなくて…
「…かず？」
そっと声を掛けながら近くに座ってみるけど…
聞こえてくるのは嗚咽だけで返答はない。
「かず…？ごめんね、連絡したらよかった…」
そっと背中に手を伸ばして触れてみる。
一瞬だけビクッとしたけど、受け入れてくれる
みたい…
「…かず、ただいま」
和「…っ、んっ、…たい」
「…ん？」
和は泣きながら「出たい」って訴えてきた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 660人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：空
| 作成日時：2014年6月15日 16時
