1048.【48】リハビリ ページ48
［雅にぃside］
カラン、カラン…
和「あー、もうっ！」
翔「こーら！」
順調な回復をしているものの、長く麻痺していた
手や足がすぐに思い通りには動かなくて…
リハビリを兼ねた食事の時間、和はイライラして
終いにはトレイを引っくり返す始末。
智「落ち着いてやってごらん？」
和「やだ！」
智「…笑」
食べ始める前からイライラしてるんだもん。
そりゃあ、上手くいくもんも上手くいかないよ…
和「じゅーん？メロンパンとって！！」
結局、こうやってメロンパンに逃げたがる。笑
翔「かず？もうメロンパン買ってこないよ？」
和「むぅ…」
翔「ほら、もう1回持ってごらん。」
翔にぃに半ば強制にスプーンを持たされた和は
渋々と食事の続き。
こんなんだから、当然リハビリも嫌がってる。
リ「グーパーしてみて？」
和「無理！」
リ「…笑。昨日できてたよ〜？」
和「知らない。」
かわいくねー。笑
でもリハビリ師さんにとっては、こんなこと
日常茶飯事なんだろーね。
全く動じることなく和に接してくれるから
助かる。
「かず？やらないなら、もう一緒に来ないよ？」
和「別にいーよ、智にぃと来るから」
「そういうこと言ってるんじゃないでしょ？」
和「は？じゃあ、何？」
うわー、マジでかわいくねー。笑
不貞腐れた和はマットの上でゴロゴロ…
リハビリ師さんは俺らのやり取りを笑いながら
見てて「やりたくない日もあるよね〜」って
和のフォローしながら記録をつけてくれた。
リ「じゃあ、これ翔くんに渡して下さい」
コピーした記録用紙を受け取ったんだけど…
和「…！ダメ！見せんな！」
ビリッ…
破りやがった…笑
リハビリできなかったことを、翔にぃに
知られるのが嫌なんだろーね。
だったら頑張ればいいのに。笑
リ「あらら…笑」
苦笑いのリハビリ師さんが「コピーし直すから
待って」って言ってくれたんだけど
和は「余計なことすんな！」って怒って。
「これで大丈夫です。なんで破けてるのか
自分で説明させますので…」
和「捨てろやっ！」
「…いい加減にしなよ？謝りなさい。」
和「…」
「かず？置いてくよ？」
ちょっと厳しくすれば目を潤ませてさ。笑
和は蚊の鳴くような声で「ごめんなさい」って
謝って、俺より先に部屋を出ていった。
翔「あ、かず？…笑」
医局の前で翔にぃとバッタリ。
なのに無視して通り過ぎていった。笑
俺が手招きしたら、翔にぃは病室まで
笑いながらついてきた。
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作者名：空
| 作成日時：2013年11月10日 23時
