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［翔にぃside］
ナースコールで呼ばれて
和の病室へ。
ベッドの上ではニコッとして。
何事かと思えば「これいらな〜い！」って。笑
食事のトレーを押し返してきた。
「ほとんど食べてないじゃん…」
和「だって、持てなかったんだもん。」
スプーンをポイッて俺の方に投げてきて。
「お昼はおにぎりにしてもらったよ？」
和「ふーん…」
「…笑」
和「ふふ…メロンパン頼んだんだ〜！」
そう言いながら携帯を見せてくる。
家に一旦戻ってる智にぃに送られたメール。
『お腹すいた〜！メロンパン食べた〜い！』
だってさ。笑
食べやすいし、大好きな物だからね。
前に俺がメロンパンでつったのが悪かったのか
すっかり、「上手く食べれない→メロンパン」
ってサイクルになっちゃってる。
食事制限ないから多少は多目に見るけど、
病院食はバランス良く作られてるし
和みたいに少食でも栄養が吸収されやすく
なってたりするわけで。
「メロンパン食べていいから、あとこれだけ
食べて？」
ってなわけに、結局強制的に食べさせる俺。笑
和「ん〜…持てないっ！」
「だから、ほら！」
和「ん〜…」
機嫌、わりーな。笑
そんなところに「かず〜、メロンパンだよ〜」
って智にぃが登場。
和は目をキラキラさせて「ちょーだいっ！」
って。
タイミングわりーな。笑
「まだ駄目だよ。これだけ食べてから」
和「ん〜…」
ほらね？
また俺が意地悪するみたいな流れになってる…
智にぃは「あ、ごめん」って
パンの紙袋を閉じてテーブルに置く。
和「むぅ…返してっ！」
智「少し食べてからなんだって。
ほら、お椀に入れてくれてるじゃん」
ご飯の茶碗に、ご飯とお浸しと魚を入れて
食べやすいようにして置いてみたけど。
和はプイッと顔を背けた。
「食べないならメロンパンもないからな？」
和「…いじわる！鬼！」
俺の顔も見ずに言い返して「とって〜」って
智にぃに甘えた声で頼む。
こういうお願い事は自然とするくせに。笑
智「食べてからね？」
和「ん〜…」
智にぃにも味方してもらえないとなると、
いじけて拗ねるか、頑張って食べるかの
どちらか。
今回は食べるだろうね。
だって部屋中がメロンパンのいい匂いに
包まれてるもん。
和が我慢できるはずない。笑
和「もう…いじわる！ばかっ！」
八つ当たりしてコップを落としてきたけど
頑張ってスプーンを握ったから
良しとしてやろう。
今の和は、一つ頑張れれば十分だから。
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作者名：空
| 作成日時：2013年11月10日 23時
