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［翔にぃside］
「潤がやって」
「手伝っちゃ駄目！」
これじゃあ、ただの性格悪いお兄ちゃんだよ？笑
潤も手伝おうとするんだけど1から全部やるのは
難しくて無理で…
なのに和は「袋から取り出すのもやって」って
要求をエスカレートさせる。
智「じゅーん？もうやめよう？」
潤「…も、でも、やりたい」
智「ん、分かってるよ？お前は兄ちゃん思い
だもんな。」
智にぃが潤の頭を撫でて、握っていた薬の袋を
離させる。
和の方に向き直った智にぃは「なに、意地悪
してんの？嫌われるよ？笑」って
半分ふざけて、半分真面目に忠告した。
和「…」
智「潤が困ってるよ？潤のこと大事なんだったら
無茶なこと言って困らせるのやめなさい」
和「…」
和はプクッと膨れて、潤から薬を受け取って
飲み込む。
和「もーいい！あっちいって。」
智にぃをドンッと押して遠ざけて「潤は
こっち」って手を引っ張って…笑
傍にいて欲しくて好きならさ、潤には優しく
してやればいいのに。
毎回の我儘で潤はシュン…ってしてるんだから。
でも、こうやって手を引かれればプラマイゼロ
って顔してるけど。笑
［潤side］
和に意地悪な気持ちがないことは分かってる。
ただ単に、何かで駄々捏ねて、ストレスを
発散させないとやってられないんだろうね。
俺の目が見えてれば、薬も開けてやれるし
飲んだかどうかの確認だって、してやれるのに…
そう思うと悔しくて仕方なくて。
俺は兄貴達に「いつ治る？」って仕切りに
聞いた。
だって早く見える様になって、和の望む様に
サポートしたいから。
翔「じゅん？焦らなくて、いいから。な？」
「…でも」
翔「でもじゃないの。このままで十分だから
和の我儘に付き合ってやって？笑」
「…ふふ。うん」
そんなこんなで「潤が開けて！」って
和の要求に応えようと必死になる毎日。
「明日には見えます様に…」
「早く見える様になります様に…」
俺は何度もお願いした。
「もう見たくないなんて思わないから…」って。
真っ暗闇から、明るくなってる世界を想像して
眠りにつく。
その日…
目を開けたら太陽が差し込んでくるのが
分かって…
明るい部屋。
優しく笑う兄貴達。
久しぶりに見えたんだ…
嬉しくて嬉しくて、病院で和の要求に応えて。
そしたら和はビックリして目をパチクリ…笑
翔「お前の我儘が役に立ったんじゃね？」
翔にぃの言葉に和は「むぅ…」って
声を出していじけて。
病室は笑い声に包まれた。
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作者名：空
| 作成日時：2013年11月10日 23時
