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［潤side］
翔「また引っ張ったの？」
和「…」
翔「黙ってたら分かんないよ？
引っ張ったの？」
和は俯いてた顔を上げて「とれって言った！」
って翔にぃを睨みつける。
24時間付けっ放しの点滴が不快で
しょうがないみたい。
何度も注意されてるのに、引っ張って
針をズラしては翔にぃを困らせてる。
和「…！いたいな！触んなっ！」
翔「ズレてるから直さなきゃだろ？」
和「直さなくていいから、外せ！」
翔「…笑」
苦笑いの翔にぃを目の前にしても
和はまだ点滴を引っ張ろうとする。
翔「あーあ…、智にぃ戻ってきたら
何て言うかな〜？笑」
翔にぃは「智にぃに叱ってもらおっと！」って
明るく笑う。
和「え…」
翔「ごめんなさいは？今なら黙って直して
やるよ？笑」
和「…」
翔「ん？」
和「ごめんなさい…」
こんなやり取りがあり、今回はバレることなく
差し替えてもらった和。
でも、それを教訓にできないのが
今の和の特徴。笑
翔「今回の入院で何回目だよ…もう…」
翌日も懲りることなく点滴を引っ張る。
ズレて痛い思いするのは和なのにね…
和「…らない、抜いて。」
翔「いらないじゃない。これ以外の方法で
ストレス発散しなさい。」
和「…ばーか！」
翔「…笑」
多少引っ張ったくらいじゃ抜けないように
翔にぃはしっかり固定してくれてるけど
和はそれに伴って引っ張る力を強める…
何度か差し替えてるから痣にもなってるし
見てる俺は痛々しくて仕方ない。
翔「あーあ…また漏れちゃったよ？」
和「…あっそ！」
翔「痛くねーの？」
和「…別に」
和は左腕を叩きながら「ちゃんとに
動かないから、どーでもいい」って怒ってる。
不自由になる左腕にイラついてるのも
あるみたい。
翔「左腕はここで最後だよ？」
和「は？」
翔「は？じゃねーよ！笑
肘も甲も傷ついてるから、左腕に刺すのは
これで最後。意味分かるな？」
和「…うるせーな！出てけ！」
こんなに強気な言葉と態度のくせに
刺される時は体をカタカタ震わせて…
恐がって嫌がるから抑制されて。
可哀想で見ているのが辛い…
翔「こんだけ巻けば、とりあえずは
大丈夫かな。笑」
そんな時でも翔にぃはニコッと笑って
俺らの頭を交互にポンポンってしてくれる。
和は「触んな！」って怒ってるけど…
それでも俺と2人で落ち着けてる時は
パズルもゲームも器用に右手でこなす。
勉強もちゃんとしてる。
「字は左手より上手く書ける気がする」とか
言って笑って。
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作者名：空
| 作成日時：2013年11月10日 23時
