34.【15】座薬 ページ34
［智にぃside］
和「ほら、みて？
点滴なくなった！」
病室に来た雅紀と潤に嬉しそうに報告する和。
「抜いてもらえるんだよ」って
説明したけど、処置の時は
大泣きだったのに今はすごく嬉しそうだ。
雅「よかったね〜」
潤も嬉しそうに笑った。
だけど、やっぱり投薬をやめた影響は
体に出てきてしまって…
先「39.8℃だね。いらない熱だから、
薬で下げちゃおうね」
先生を拒んでベッドで泣き叫ぶ和は
とてもじゃないけど
高熱があるようには見えない。
手を振り回して大声で泣いている…
先「先のことも考えると、解熱剤は
座薬に慣れてもらった方がいいと思うんだけど
座薬でいいかな？」
和が少しでもラクなら、その方がいい。
俺らは揃って頷いた。
先生は優しく笑って病室を出ていって
必要な物を持って戻ってきた。
先「俺がやるとパニックになるから
翔くん入れてあげて？」
翔は頷いて薬を受け取ると
一旦テーブルに置いて和を落ち着かせる。
先生はそれを少し見守ってから
病室を出ていった。
翔「かーず…熱下げてあげるから。
ラクになった方がいいだろ？」
優しく話しながら、ベッドに戻そうとするけど
和は首を振って涙をポロポロ流す…
翔「恐いことないよ？寝転んでくれてれば
いいから。な？」
和「んー…せ、ん、せ…や」
翔「先生は呼ばないから。俺と智にぃだけ…
ちょっと寝てくれない？」
和「んー…や…」
ちょっと嫌がってるけど、翔は抱きしめながら
ベッドに寝かせてやる。
翔「ほら、智にぃの方向いててね〜」
和「さと、にぃ…」
俺に向かって手を伸ばしてきたから
握ってやった。
和「…！や、…がない、やだ…」
翔「ごめんな〜、大丈夫だから。
智にぃにギュッとしててもらおうね」
ズボンとパンツを脱がされて
和はポロポロ泣いている。
翔「熱下げるだけだから、痛いことないから。
お膝曲げるよ〜」
和「んー…たいのやだ…やーだー」
翔「痛くないんだよ〜。ふぅーってして？」
和「…だ、やだ…」
翔「ん〜？お尻からお薬入れるだけ。
和、上手にできるじゃん。
力抜いてふぅーってしてたらすぐだからね」
ゼリーの冷たい感覚に体を捩って、
座薬の感覚に顔を歪める和。
翔「痛くないでしょ？力抜いて？」
なかなか体から力が抜けない和だったけど、
体力も限界だったようで…
翔「ちょっと頑張るよ？」
無理矢理に押し込まれて
ちょっと声を上げたけど、そのままスーッと
眠ってくれて一安心…
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作者名：空
| 作成日時：2013年4月5日 8時
