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21.【14】翔にぃの診察 ページ21
［智にぃside］
玄関の
ドアが開いて、
翔がパタパタと走って来た。
翔「ただいまー、和は？？」
「さっき起きて、雅紀の診察拒否中。笑
行ってやって？」
翔「分かった。後で点滴するからさ、
声掛けたら手伝ってもらっていい？？」
「了解」
翔は手を洗ってから、
和の部屋に入って行った。
和は尖端恐怖症なんだ…
病気になってすぐ受けた検査の中に
胸に針を刺す検査があったみたいで…
まだ10歳の和には
それはもう死ぬほどの恐怖だったわけで…
いきなり押さえつけられ
ろくに説明もなしに胸に針を刺されたんだから。
俺らも、
「検査して調べますね」くらいの
説明しか受けていなかった。
突然の病気で気が動転して、
和の心のケアまで頭がまわってなかった
俺らに責任があるんだよね…
その日から和は
注射になると過呼吸を起こし、
まるで気が狂ったように
泣き叫んで、全身で拒否するようになった。
意識をとばすことさえある…
見兼ねた俺らはすぐに
心のケアもしてくれる病院に和を移し、
尖端恐怖症の治療もしてもらってる。
月日が経って、恐怖の感じ方は軽くなってきては
いるけど、日によってはすごく恐がるから…
翔一人では、和に針を刺すことは不可能だ。
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作者名：空
| 作成日時：2012年10月20日 15時
