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［智にぃside］
2人が帰ってきたのに
気が付いたけど
しばらくしてから様子を見に行こうと思って…
そしたら、コールで呼ばれたんだ。
和の部屋に入ると、
雅紀が今にも泣き出しそうな目で
俺を振り返った。
声を掛けてやりたかったけど…
きっと和は安心はしているけど
まだ寝てはいない。
下手に声を掛けたら
和まで心配してしまうから、
俺は黙って雅紀の頭をポンポンした。
布団の中はものすごく熱くて、
俺の手を払おうとする和の手は
それ以上に熱い…
布団から出てこないのは、
泣き顔を見られたくないからだろうね。
俺は、布団を剥がしたりしないことを伝えてから
体温計を挟んだ。
それでも和は計られたくなかったみたいで
腕を動かそうとする。
俺は入院させないから…という意味も込めて
「だいじょうぶ」って声を掛けながら
腕を押さえた。
体温計が鳴りって、
雅紀にも和にも聞こえる様に
体温を読み上げる。
体温は39.5℃を超えていて、
辛さを物語ってる…
雅「智にぃ、聴診していい？」
「うん。和…そのままでいいから…
ちょっとごめんね」
布団の中で少し服に隙間を作る。
雅紀はそこに聴診器を滑りこませて
丁寧に聴診を始めた。
和「…まさにぃ、もう…わり…」
雅「もう少しね、大丈夫。
心音は問題ないよ？」
和「…やだ…おわり…」
和が聴診器を手で払おうとするから
俺は両手でその手を握って押さえる。
しばらくして聴診を終えた雅紀が、
「薬、取ってくるね」って部屋を出て行った。
俺はその隙にタオルを布団の中へ入れて
「出ておいで？」って声を掛ける。
きっと雅紀は和の涙に気が付いているけど…
和は雅紀に見られたくないだろうから。
布団の中で顔を拭って、顔を出した和。
あまり泣いていなかったみたいで少しホッとする。
コンコン…
雅紀が戻ってきたみたい。
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作者名：空
| 作成日時：2012年10月20日 15時
