鈍感にも程がある ページ36
癖というものは、どれだけ意識しても勝手に出てきてしまうものである｡そのせいで、今の私の両頬はピンチに陥りつつあった｡
「この人でなし！」
「ざまあねぇな」
爆豪くんは嘘をつかない。やると言ったらやるし、抓ると言ったら抓る｡絶対に｡
しかも彼は目敏くて、私の敬語をきっちり拾っては頬を好き勝手した。結果、授業が終わり寮に戻る頃には私のほっぺはジンジンと痛んでいた｡
「い、一応これでも女子なんで……だよ？もう少しソフトに扱ってよ」
話し方に物凄い抵抗を感じる｡が、言いたいことは山ほどあるのだ｡照れてる場合では無い｡
「それに爆豪くん、すごい満ち足りた顔しながら抓るし、なんか触り方がねちっこいし.....絶対楽しんでるよね！！」
「あﾞ？ 誰がんな変態みてえなやり方するか！！」
「してますもん！！爆豪くんのエッ、痛あ！！」
目尻を吊り上げながら、今度は片頬を思いっきり抓られた｡これはお怒りだ｡これ以上言うと何されるか分からないため、渋々口を閉じた、その時だった。
「おいAの奴、爆豪の前でだけ敬語じゃねぇぞ！」
「もしや〜？ ひょっとするとできていらっしゃる〜？」
いつの間に後ろにいたのか、上鳴くん、芦戸さんがニヤつきながら話しかけてきた。
「あﾞあﾞあﾞ！？ 違ぇに決まってんだろカス共！！」
鬼の形相で否定をする爆豪くん｡そう対応するとは分かっていたが、いざ言われてみると望みの皆無さに軽く気分が落ちてしまう。
「おいA、てめぇも何か言.....」
爆豪くんは同意を求めてきたが、私の顔を見て驚いたように黙った。どうしたのだろうか。
「あー、Aしょぼくれてんじゃん！ 爆豪サイテー！」
なるべく気持ちが表情に出ないように努めたのだが、どうやらちょっとだけ隠せなかったようだ｡
慌ててフォローするべく、私は口角を上げて自然に振舞った｡
「し、しょぼくれてませんよ！ それに、爆豪くんとは仲がいい『友達』ってだけで.....」
「えー、ホントかあ？ もっと詳しく、」
その時、授業開始のチャイムが鳴った｡
「ちぇー、もっと事情聴取したかったのに」
残念そうに自分の席に戻っていく2人｡助かった。
良かったですね、という意味を込めて爆豪くんの方を見ると、そこには何か言いたげな不貞腐れた顔をした彼がいた。
.....なんでさっきよりずっと不機嫌なんですか。
その後、アイツらに勘違いをされて弄られるという理由で敬語外しは無しになった｡
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匿名希望より - 作者さんリゼロ好きですか？どこか既視感あるなと思いまして (2021年8月12日 2時) (
レス) id: 84a09a672a (このIDを非表示/違反報告)
真実(プロフ) - はるはるさん» コメントありがとうございます！ こんなに長々と感想を頂けてとても嬉しいです。満足していただけて幸いです！ (2019年5月8日 13時) (レス) id: c4af4231ab (このIDを非表示/違反報告)
はるはる(プロフ) - とても素敵な作品でした。終始涙が止まらないくらいに感動しました。爆豪勝己というキャラの良さが詰まっていて、満足出来ました。このような素敵な作品を作って下さりありがとうございました。 (2019年5月8日 2時) (レス) id: 0a19bd2b46 (このIDを非表示/違反報告)
真実(プロフ) - momoさん» コメントありがとうございます！確かに話を考えるのは大変ですが、作者の貧相な脳みそで精一杯物語を紡げるよう頑張ります！ (2019年5月4日 23時) (レス) id: c4af4231ab (このIDを非表示/違反報告)
momo(プロフ) - いつも読ませてもらってます！展開が難しいかもしれませんが、更新頑張って下さい！応援してます！ (2019年5月4日 23時) (レス) id: 0b1ff1fc69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：真実 | 作成日時：2019年4月17日 18時
