強さの答え ページ37
切島side
最近、爆豪とAの様子がおかしい｡
ある時は恋仲であるかのような距離の近さだったり、またある時はお互いを避けていたりする｡
正直、とても心配だ｡
その事を上鳴や芦戸に話すと、『アイツら両想い疑惑あるからくっつけてやれ』と送り出されてしまった。
恋愛とかはよく分からねぇが、ダチが思い悩んでいるなら解消してやりてぇ。俺は思い切って、まず爆豪にその事を話すことにした。
「爆豪、Aと何かあったのかよ？ 最近変だぞお前もアイツも」
「なんもねぇよ」
否定する爆豪だが、明らかに表情が曇った。
これは何かある顔だ｡
そう確信した俺は、さらに追及をすることにした。
「いや、絶対なんかあるだろ｡お前ら周りから噂までされてるしよ｡そんなに悩みこんでんならいっその事アイツに吐いちまえば楽になるんじゃねぇか？」
「…別に、言ったところで俺の邪魔になるだけだ」
邪魔になる。確かに、己の道を往く爆豪にとって恋愛はただの障害物に見えるのかもしれない｡
しかし、だからといって見て見ぬふりをするのも、それはそれでモヤモヤするもんだろう｡
「俺にはよ.....恋だとか好きだとかはよくわかんねぇし、お前の独りで営々と突き進むって考えもひとつの強さの答えだとは思う｡けどよ」
さっきから表情が歪んでいる爆豪｡こんな話したくねぇのは分かっているが、俺の意見も言わせてくれ｡
「『守りてぇやつ』ってのができれば.....きっと強くなれるんじゃねぇか？」
「＿＿＿！」
爆豪の苦しげな表情がどんどん晴れていく。
きっと、コイツの欲しかった答えはこれだろう｡
我慢なんて、お前得意じゃねえだろうし｡
「まぁAは、守らなきゃいけないほど弱ぇやつじゃねぇけどよ｡でもアイツ、きっとお前なしじゃすぐぶっ倒れるぞ」
Aは強いが、それは偏に周りの支えがあってこそだ｡特に爆豪からの｡
アイツ1人じゃ、なんも出来ねぇよ。
だから｡
「傍にいてやれよ、爆豪｡お前のためにも、Aのためにも」
変に拒絶する必要なんてねぇんだ｡
お前らは、きっと既に引き返せねぇとこまで踏み込んじまったんだから｡
「.....うるせぇ」
そう口にした爆豪は、なんともスッキリしたような、覚悟が決まったような表情を浮かべていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 117人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
匿名希望より - 作者さんリゼロ好きですか？どこか既視感あるなと思いまして (2021年8月12日 2時) (
レス) id: 84a09a672a (このIDを非表示/違反報告)
真実(プロフ) - はるはるさん» コメントありがとうございます！ こんなに長々と感想を頂けてとても嬉しいです。満足していただけて幸いです！ (2019年5月8日 13時) (レス) id: c4af4231ab (このIDを非表示/違反報告)
はるはる(プロフ) - とても素敵な作品でした。終始涙が止まらないくらいに感動しました。爆豪勝己というキャラの良さが詰まっていて、満足出来ました。このような素敵な作品を作って下さりありがとうございました。 (2019年5月8日 2時) (レス) id: 0a19bd2b46 (このIDを非表示/違反報告)
真実(プロフ) - momoさん» コメントありがとうございます！確かに話を考えるのは大変ですが、作者の貧相な脳みそで精一杯物語を紡げるよう頑張ります！ (2019年5月4日 23時) (レス) id: c4af4231ab (このIDを非表示/違反報告)
momo(プロフ) - いつも読ませてもらってます！展開が難しいかもしれませんが、更新頑張って下さい！応援してます！ (2019年5月4日 23時) (レス) id: 0b1ff1fc69 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：真実 | 作成日時：2019年4月17日 18時
