BLEACH

5話 ページ7

「朽木隊長」




そう声を掛ければ、ゆっくりと振り向き僅かに目を見張った姿。




「…サクヤか」





珍しいな、と思いながら近付く。




「兄が私の元に来るとはな」




すっかりいつも通りに戻った朽木隊長。




「…どうするつもりです？」




その目を見据えれば、わかっているはずなのに「なんのことだ」と低い声で発する。




「朽木ルキアのことです」




霊力の譲渡により処刑される、あなたの義妹。




あなたの妻である緋真の、実の妹。




なによりも守りたいはずなのに、なぜ…




「…兄には関係ないことだ」




自分の心を誤魔化すの？




わかりきっていた返答に、目を閉じる。




「…斬魄刀の使用は？」




「今は戦時特例により許可されている」




「了解です」




そのまま背を向け、歩き出そうとした時。




「…すまぬ」




隊長の小さな謝罪に、再び目を閉じて歩き出した。

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