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01君の瞳に誰を見る ページ2

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『初めまして‥‥ってわけでもないけど。

どうも、降谷の同期で一応上司の舞原Aです』








あの日の彼女の名を赤井が知ったのは、あれからすぐのことだった。

組織壊滅後、その残党を狩るため公安とFBIで共同戦線が組まれた。

分けられたのは、主に2つ。

前線で戦う者。後ろで支える者。

赤井は当然前者であった。そこでチームを組むことになったのが彼女である。









「一応じゃないだろ」

『それならちゃーんと上司様の言うこと聞いてくれる?

勝手な行動多すぎなのあんたは』









どこか抜けたような声でそう言うAに、降谷は苦笑をこぼした。

そして、打って変わったように赤井に向き直るとキッと睨みつける。









「それにしても‥‥なぜ赤井と組まなければならない!!」

「ふむ‥‥それは君の上司に打診してほしいものだが」

「なにィ!?」

『降谷。それ以上うるさいとあんただけデスクワークに回すよ』









そう言うとピタリと口を閉じた降谷。

よっぽどデスクワークは避けたいらしい。






しばらくして顔合わせが終わると、赤井はAに近づいた。

途端にそばにいた降谷が顰め面をするが、先ほどの注告が頭に残っているのか口は開かない。









「タバコを吸いたい。喫煙室はどこかな?」

『‥‥煙草、吸うのね』









それは、ただ彼女に声をかけるための口実だった。

しかし、そう問いかけた彼女の表情は、どこか切なげであったような気がして。

固まる赤井に、Aは気にしてないとでも言うように指差す。









『会議室を出て左に進んだ突き当たり。

早めに済ませてきて。すぐ会議が始まるから』

「‥‥了解した」









あまりにも事務的な受け答えに、思わずいつもの返事になる。

歩きながら先ほどのAの態度に首をかしげる中、後方でAが俯いていることなど、赤井は知る由もなかった。









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____それを、降谷が心配そうに見つめていたことも。









【浮かんだのは、1人の男】

【癖っ毛を揺らして、彼は笑った】




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02紫煙くゆらせ君想う→←Prologue



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リエ(プロフ) - どうしようめちゃくちゃ好き無理大好き、設定も表現もストーリーも最高ですほんっとにマジで (2021年6月14日 21時) (レス) id: 470bfeaa7b (このIDを非表示/違反報告)
宿敵さん - 読み終わった時美しい話だと思いました!!とっても素敵でした!! (2018年2月12日 21時) (レス) id: 82f14ce098 (このIDを非表示/違反報告)
ムスメ2(プロフ) - すごい面白いです (2017年7月1日 13時) (レス) id: bc72a95a3a (このIDを非表示/違反報告)
ホノ☆(プロフ) - ロムさん» ありがとうございます!!その一言がたまらなく嬉しいものです(*^^*) (2017年6月30日 16時) (レス) id: b619beff59 (このIDを非表示/違反報告)
ロム - おおっ!いい作品見つけたぞ〜!ってパソコンの前で言ってしまった私。もはや変人 (2017年6月30日 16時) (レス) id: 693a45f20e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ホノ☆ | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2017年6月25日 9時

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