▼第十話△ ページ10
彼女を家まで送り届けてふっと空を仰ぐ。
涙色の空の下で君と出逢った僕は、もう既に想いを閉じ込めることなど出来なくなっていた。
好きだよ。
たとえ届かないとしても。
「…あれっ。ひらじゃーんっ!!お母さんがクッキー焼いてくれたよ!!ユウも来るっていうからみんな、呼ぼうと…って私今ケンカしてるんだった…」
家の前につくと、ユキの家の前で話すフジと物憂げな表情を浮かべたユキがいた。
仄かに頬を染めて話すフジに何故か苛立ちが募り、気づけば俺はフジの胸ぐらを掴んでユキの家の兵にフジをの背中を押し付けていた。
「ひ…っら??」
苦しそうに顔を歪めながら俺の手を離そうとするフジ。
「…あ、えと。ヒラ??」
「…ざ…な」
困惑したユキの顔を横目に、俺は言葉を放つ。
「ふざけんなよっ!!!!どんだけアイツが、Aちゃんが苦しんでるのか、わかんねぇのかよ!!!!」
俺の大声にユキもフジも目を見開く。
「お前が中途半端な、ほかの奴が好きなのにAちゃんと付き合って、普通の人間がそれで平気なわけないだろ!?それでお前は1回苦しんでるじゃねえかよ!!!!」
「ねぇ、ヒラ落ち着いてよっ!!!!」
俺だって苦しめたくねぇよ。
でも、フジが苦しんでるのと同じぐらい、Aちゃんも苦しんでる。
自分は気持ちを伝えないくせして逃げて。
それで代わりを見つけて、心の穴を埋める。
ねぇ、フジ。フジはそれでいいの??
いいわけないよね。自分が犠牲になっても他人さえよければいいって考えの持ち主だったやつが、いきなり自分勝手なやつになるわけ無い。
「ねぇ、辛いんでしょ…苦しいんでしょ…なのになんで、俺らを頼ってくれないのっ!!!!」
辛い思い抱えて、自爆しちゃったら本末転倒じゃん。
そうならないために、俺らがいるんでしょ…??
▽第十一話▲(あなたside)→←▽第九話▲(フジside)
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魎芭@真紅の稲妻(プロフ) - ヒラかわかっこいい! 更新楽しみにしてます!これからも頑張って下さい! (2015年8月7日 7時) (レス) id: 95f31c8c92 (このIDを非表示/違反報告)
メアリー - ヒラかわゆす…(//-//) (2015年8月2日 19時) (レス) id: 247ae801c7 (このIDを非表示/違反報告)
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