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-弟達の笑顔があれば、俺は俺でいられる。 たとえ、俺がどうなっても。- ページ43

貴)…。


三郎の頭を撫でながら思考する。
俺が弟達を可愛がりたい、甘やかしたい理由。
贖罪、可愛さ、そして昔の俺でいたいからと言う我儘だ。


俺は5年も離れている内に、外界でどう考えても政府の裏側とか、そう言う黒い部分に触れすぎた。
俺自身が情報源と言う事もあるからこそ、殺されかけたのだ。
死ななかったのは運が良かったんだと思う。


だから、今三郎に触れているこの手は真っ黒で、いや赤黒い、が正解だろうか。
とにかく、本当なら触っていいようなものじゃない。


その5年の間にあった事から、弟達を遠ざけたい。
だから、5年前の俺のしていた行動と同じ事を今、俺の意志で再現している。
弟達からしたら、成長してない様に見えるのかもしれないけど、あながちそれも嘘じゃあないしな。


だから、分かっても何も言わないでくれよ、一郎、二郎、三郎。


貴)大丈夫……大丈夫だよ。
俺は、俺だ。 ちゃんと、“山田A”だから、大丈夫。


ゆっくりと、自分がそうであるかを確認する為に、非常にゆっくりと口にした。
俺が俺である証明。


二郎)あ、兄ちゃん、三郎寝たの?


ふと、目を向けると二郎がキッチンから出てきた所だった。
すぐにぱっと笑う、まさか聞かれてないよな?


貴)うん、きっと三郎に学校は必要以上に気を張ってなきゃいけない場所なんだろうな。
すぐに寝ちゃったよ。


二郎)あー、そうかもな。
頭良くても、友達いねえと思うし。


貴)その点、二郎は心配なさそうw


二郎はうーん、なんて考えながら、コーヒーを俺に差し出してくる。
優しいじゃん、これも成長だよな。


二郎)まぁ、確かに兄ちゃん程じゃねえけど、各ディビジョンにダチを作ってるな。
(裏の筋に通じる奴もいるけど。)


貴)へー。
…各ディビジョンって言われると、まずここイケブクロディビジョン、近場のシンジュクディビジョン。
それに、ヨコハマディビジョンとシブヤディビジョン。
関西方面のナゴヤディビジョンとオオサカディビジョンで全6チームあるんだよな。


それとまぁ、その中央に君臨している中央区、女性による女性の為の世界を隔てる壁。
“中央区”と“それ以外”に分ける為の壁。


二郎)そうそう、兄ちゃん良く知ってるね。


貴)まぁ、オオサカとナゴヤには知り合いがいるような気がするし。
ヨコハマ…は、良いとして。 シブヤかぁ…俺あんまりシブヤに関しては知ってる奴いないんだと思う。


だって、わんわんと仲悪いんでしょ?





次へどうぞ→

-三郎があんまりにもすよすよ寝てたので、俺はほわっとしてた、可愛すぎる!-→←-二郎は戻るに戻れなくて、キッチンでちょっと羨ましそうに膝枕を見ていたらしい。-



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紫音(プロフ) - ヤトさん» ありがとうございますw これからも頑張ります!! (2020年1月9日 3時) (レス) id: fe40c365c3 (このIDを非表示/違反報告)
ヤト - 続きが気になります、更新楽しみにしてます。 (2020年1月4日 22時) (レス) id: bd201871c1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紫音 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/shionn/  
作成日時:2019年11月18日 3時

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