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人は皆、何かのきっかけで変わることができる。 ページ9

A「…な、何してるんですか?…土方さん…」

若干プルプル体を震わせて拒否反応のようなものを出しながら土方に問う。土方がAを見る。相変わらずの真顔で。それが更にAの恐怖を増大させる。

土方「あ?決まってんだろ、マヨネーズだ。お前のにもかけてやるよ。よこせ。」

そう言ってAの皿を取り上げる。固まるA。

ボロボロ

Aの目から涙が溢れた。

総悟「!A?!土方!テメーのせいだぞ!謝…」

A「ヒック…不味かったですか。…だからマヨネ…ズで…調整…ヒック…してるんですよね…明日からはもっと…まともなの作るので…す、みません」ボロボロ

Aはまだ土方が極度のマヨラーだということを知らない。よってこのように思考が行き着いた。

近藤「A!違うんだ!トシは…」

ヂュルヂュル!

土方「あ?何がマヨネーズだ。どこにマヨネーズなんてあるんだ。喋ってないで早く食えよ。冷めちまうぞ。泣くなよ。」

銀時「は?今お前がカレーにかけてA泣かし…あれ?」

そこにあるのは、皆が食べているのと何ら変わらないカレーだった。

(((一瞬ですすりやがったー!)))

そう、アレはマヨをすする音だった。

A「不味い訳じゃなかったんですか?でも、マヨネーズかけて…あ…」

Aは思い出した。掃除していた時の事を。

(『マヨ命…』…そういう事か…)

Aは全てに納得がいった。

(ここでAに嫌われるくれぇならマヨ禁する方がマシだ)

土方はマヨ愛への全ての気持ちに蓋をした。

(((ふ、副長のマヨを止めたー!神だ!神が真選組へ降臨なされたー!)))

隊士達は全て、マヨ地獄から救われた。

Aはとりあえず泣き止んだ。皆も食事を再開した。スプーンと皿を両の手で持ち、休むことなく食べ続けている。その光景を、Aはただ1人食べることを再開することなく眺めていた。

皆、私を助けるために奮闘してくれたんだな…まだお話したこともないのに。包帯とガーゼだらけ。
それに比べて私はどうだ。1人だけ無傷で帰ってきて、しかもそのまま働かせてもらっている。誰も何も言って来ない。文句の1つや2つ絶対にあって良いはずなのに…
これは、私からいかないと…これだけは甘えちゃダメだ。

Aは静かに皿とスプーンをおいた。そして総悟に、あの不安そうな視線を送ることもなく、銀時の救いを求めるでもなく、1人でしっかりと、大勢を前にして立ち上がったのだった。

が、変えたい所は次から次へと出てくるからキリがない。→←楽しい時間はそう長く続くものではない。



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作者名:*kuro* | 作成日時:2019年6月9日 23時

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