が、変えたい所は次から次へと出てくるからキリがない。 ページ10
土方「おい、どうしたA。」
急に立ち上がったAを見て土方が問う。が、Aはそれには答えなかった。
A「皆さん。少しいいですか。」
Aの声に皆が手を止めて視線を向ける。今までなかった行動に驚いていた。
A「私は昨日、あなた達に助けられました。その事には本当に感謝しています。ありがとうございました。」
深く頭を下げる。
総悟「急にどうしたんでィ、A…」
A「これだけは言っておきたいんです。これだけは、言っておかないとダメなんです。自分で、自分の言葉で、直接…」
目を伏せて深呼吸をする。そして、
A「すみませんでした!」
日頃は出さない大きな声で謝った。
A「私のせいで、皆に怪我をさせてしまいました!命の危険にも晒してしまいました!本当にごめんなさい!でも、まだまともに素性も話していない私を助けてくれた皆さんは、やっぱり近藤さんの言う通りいい人達なんだと思いました!だから、私も、それに報いるためにここでたくさん働きます!私を助けてくれたみたいに、たくさんの人達をこれからも助けていく皆さんを一生懸命サポートします!これからも宜しくお願いします!」
そして、また頭を下げた。周りは変わらず静まりかえっている。あ…やっぱ慣れない事はするんじゃなかった…とAは後悔し始めた。
パチパチパチ
するとどこからか拍手がなった。
パチパチパチパチパチパチ!
それは一瞬で広がり、Aを包んだ。
「これからも美味い飯頼むよー!」
「男ばっかですぐ臭くなるから掃除もよろしくなー!」
「副長のマヨ鎮圧してくれてありがとうー!!これからも俺達をマヨの恐怖から守ってくれー!!」
最後が1番大きい声だった。
土方「誰だ最後の言ったヤツは!切腹だー!」
土方が隊士達の中に飛び込む。
ワイワイギャーギャー
始めのムードにいつしか戻っていた。Aはそれを瞬きもせずに見ていた。
近藤「A、よく頑張ったな…そうやって素直に自分の気持ちを言うのは、簡単なようで実はすごく難しいもんだ。さすが真選組の一員だな。」
ポロポロ
Aの目からまた涙が零れた。
(言ってよかった…きちんと伝えられてよかった…逃げないでよかった)
総悟「あとは、この泣き虫だけでさァ。」
銀時「まあ、もうこれからはずっと一緒なんだからゆっくりでいいだろ。なぁ?A?」
その言葉がAの涙に更に拍車をかけたのだった。
色々な厄災は忘れた頃にやってくる。→←人は皆、何かのきっかけで変わることができる。
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作者名:*kuro* | 作成日時:2019年6月9日 23時