思ってる事は言葉にして初めて相手に伝わる ページ41
「……私分からなかった…総悟さんが何であんなに怒ったのか…
でも、土方さんが教えてくれた
私の事を心配して……大切に思ってくれての事だったんですよね…
…それなのに…私は……私……ごめん…なさい……」
後半は総悟さんの顔が見れなかった
だから今総悟さんがどんな顔をしているのか分からない
また…怒らせた…?
『もうさっきみてぇにA泣かすんじゃねぇぞ』
もう今は泣いちゃダメなのに…
総悟さんを傷つけるだけなのに…
総悟さんの気持ちに気づく事ができなかった自分への苛立ちと総悟さんへの申し訳なさで泣きそうになる
総悟さんの肩に置いた手に力が入らなくなる
「…なんでィ…そんな事だったのかィ……」
そ、そんな事って…
私は顔を上げる
こっちは泣く程悩んでたのに…!
「…にしても、ダッセェな、俺ァ……」
「え?」
何言ってるの、総悟さんはダサくなんかない…
総悟さんの私への気持ちはとても嬉しかった
そんな総悟さんがダサイって?……ありえない
「昨日おめェに言ったばかりだったのに…
おめェの泣いた顔はヤだって…
泣いた時は俺が笑顔にしてやるって…」
『Aの泣いた顔も苦しそうな顔も見たくねンですよ』
『俺がいつだって、土方よりも旦那よりも早く駆けつけてAの泣いた顔を笑顔に変えてやりまさァ』
そうか…その事を……
「…なのに…なのに……!
俺自身がA泣かしちまうし、しかも、それをよりにもよって土方に慰めさせちまうし……
…土方さんのあれはわざとだった…
俺がいるって分かった上でAにキスして声を俺に聞かせた
俺を煽ってきたのも俺とAの仲を元に戻させるため…
…俺が…一番弱ェ…
この場をくれた土方さんよりも、俺より先に気持ちを話し始めたAよりも…
弱ェ……最低でさァ…俺ァ…」
私は黙って総悟さんの気持ちを聞いていた
もう総悟さんの気持ちを取りこぼしたくない
土方さんの事は少し驚いたが、それは今はいい
今は……
ギュッ
「っ……!」
総悟さんが息を飲むのが聞こえた
「最低だなんて…弱いだなんて…そんな事ありませんよ
少なくとも私は、総悟さんの、私を思ってくれてる気持ちがとても嬉しかった」
言葉にして伝えないと
思ってるだけじゃ伝わらないんだ
伝えたい、私の気持ちを余すことなく全部
「…確かに総悟さんが怖くて私は泣いてしまった、土方さんにも助けられたし慰めてももらった
でも…」
私が総悟さんに伝えたい事…
誰かを好きになるのは、その人の新たな一面を知った時である→←Sって感染性でした
43人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:*kuro* | 作成日時:2019年6月9日 23時