繋がる糸 Part.2

素直が1番！ ページ36

土方さんの言葉で、ふいにさっきの近藤さんの言葉を思い出した


『アイツら、なんだかんだでお前の事本当に大事に思ってるぞ、もちろん…俺もな』


そうだ……

私は知ってたはずだ

気づいてたはずだ

さっきそれを思い出して心に決めたばかりだったのに……

お礼を言おうとまで思ってたのに…

「すみません…私…ちゃんと分かってました…

でも気が付いてなかったんです…

さっき…私が近藤さんに呼ばれた時、来週の話をしたんです

真選組総出で任務があるからここを空けるって

だから独りでも大丈夫かって…

私は皆が任務に集中できるように笑顔で大丈夫だって言いました

……結構自信あるんですよ?…あの時の笑顔……

…でも、本当は大丈夫なんかじゃなかった

分かってるんです、自分が我儘なこと位…

昔は独りでも何とも思わなかった

大人数の楽しさも孤独の悲しさも知らなかったから

だからそれを手放さない為に私は総悟さんに大丈夫な所を見せたかった

真選組のお荷物になりたくなかった

だから……ｯ｣


せっかく止まった涙がまた零れてきた

嫌われたかな…

でもいつも土方さんは私に声をかけてくれた

誘拐事件の時も、そして今さっきも

優しいよな……

｢ったく…大丈夫だ、泣くなって…

アイツはああいう感情の表現の仕方に慣れてねぇからな…

結果まぁこうなっちまった訳だが

……なぁA

だったらお前はアイツ…総悟の事をどう思ってる?

真選組じゃねぇで、総悟自信をだ｣

…それは……そんなの決まってる

｢…ﾋｯｸ……私だって…私だって大事ですよ…

当たり前じゃないですか……命の…恩人なんだから…

私を…あの真っ暗闇から救ってくれた…張本人…なんだから…｣

嘘偽りのない言葉だった


なんだ…笑顔なんか貼り付けなくたって、こんな泣いた顔でも…なんなら泣いた顔の方が本当の気持ちを伝えられるんじゃないか…

｢ﾌｯ…アイツも幸せモンだな…

A、今のやつ総悟に言ってやれ

メチャクチャ喜ぶと思うぞ

まぁ、それこそ顔には出さねぇと思うがな…

ほら、アイツ素直じゃねぇから｣

総悟さんも幸せ者…

私が総悟さんを幸せ者にできてるってこと…?

いやいや、そんな大層な話ないない…

私がしてもらってる側なんだから…

でも、そうだな…

｢ﾌﾌｯ…そうですね…

総悟さんの前では私が素直にならないといけませんよね…

聞いてくれて…助けてくれてありがとうございました

総悟さんの所に行って…仲直りして…きます｣

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