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もっと見たいから、 ページ11

2人は、江戸の町を歩いていた。
日が暮れたら屯所に戻り、そこから中の案内を始めようという算段だ。
Aは、お金を、内緒で少し忍ばせているだけで、ほとんど手ぶら状態である。
キョロキョロと、辺りを見渡すが、その顔は相変わらずの無表情だった。

会話のない中、ついに総悟が口を開いた。


総悟「そういえば、Aの持ってた荷物は……」


ビクッ


Aが、体を揺らし、反応した。
そして、不安そうな目で総悟を見る。


総悟「あァ、安心しなせェ。中を見たりはしてねェよ。一応、俺らは警察だからな。特に、女の子の持ち物なんて勝手に漁りゃしねェよ。」


その言葉に、Aは安心した。



アレを見られるのはまずい。



Aは、ひっそり心の中で思った。

総悟はと言うと、荷物の話題になったときのAの反応に少し引っかかったが、聞かないでおいた。


総悟「腹減らねェか?よかったら、あそこの店で団子でも食おうぜィ。」


Aは頷いた。

しかし、それがあだになるということを、このときのAはまだ知らない。


総悟「おばちゃーん、団子2つ〜!」


はいよ、と優しそうなおばさんが返事をし、団子を2人のところに待ってきてくれた。

総悟は、団子を頬張った。
それを見て、Aも同じように頬張った。



「おいしい…………!」



珍しく、Aが言葉を口にした。
頬も少し紅潮している。
総悟は、驚きながらも、感情はあるんだなと思い、もう少しそれを見てみたくなった。
そして、こんなことを口にしてみた。
























総悟「あァ、たしかに、人の金で食う団子はうまいねィ。」

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作者名:*kuro* | 作成日時:2019年6月9日 23時

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