日常その27 ページ31
「A!!」
玄関の方からバタバタと音をたててやって来たのは盧笙と簓。後ろには零さんも居る。
「誰だい?Aは僕のものだけど。」
「……嫌がって見えるんやけど気のせいか?」
簓の声はいつもよりもワントーン低く、鋭かった。男をキツく睨んだまま簓は言葉を続ける。
「自分のものっちゅー言葉を、二度とAに使うな。」
「な……!」
男は酷く悲しんだ顔をしている。
え、当たり前やん。なんで驚いてんの。
「Aは君のせいで寝れない日々続けとったんやで?」
「……そうなの?A?」
『うん。こんなに近くで顔見て隈にも気付かねぇ奴のものになんてなりたくないよ。』
「ゔ……」
私の言葉が効いたのか、それ以上彼は何も言わなかった。
零さんが警察を呼んでいたらしく、男は連合されて行った。事情聴取によると、「コンビニで見た時に運命を感じた」らしい。とんだ迷惑なんやけど。
『はぁ…なんか疲れた……』
「なんともあらへんか?」
盧笙宅。みんなで休憩していると簓が聞いてきた。
『うん。私の力甘く見ないでよ!と言いたいけど、危なかった。ありがとう。』
「かまへんよ。言ったやろ?……"俺が守ったる"って。」
コソッと耳元で言ってくれる簓の言葉が嬉しくてついニヤける。盧笙には「キモい」と言われた。
やっぱ盧笙私に辛辣だよね!?
11人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:黒綺 | 作成日時:2022年11月3日 23時