弓道なんか、大っ嫌い。【二階堂永亮】

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「改めて、弓道部部長の本村宏樹です。
1年生がたくさん来てくれて嬉しいです。私達2、3年生は、貴方達新入部員を歓迎します。」




ニコニコと穏やかな声色で挨拶していたのは、部長の本村先輩。それから、次々と先輩が挨拶をしていった。




「では、次に2年生の皆さんお願いします。」



「……じゃあ俺から。
はじめまして1年生、俺は二階堂永亮。よろしくね。」




笑顔で挨拶する兄貴に、袴に憧れて入ったパリピ女子達は惚れたらしい。



(そりゃあそうだ。なんたって私の兄貴なんだから。
兄貴は世界一かっこいいんだ。……否、かっこいいの言葉だけでは表せないほどの魅力をもってる。)




「……………。」

(貴方達なんかが惚れていい存在じゃないんだよ。)




無意識に睨みを聞かせていたらしく、パリピ女子達は一瞬にして静まり返った。





「1年生も順番に自己紹介していきましょうか。名前と、経験者は弓道歴がどのくらいあるかだけ。」



本村先輩がそう言い、端から順に自己紹介していく流れになった。




「竹早静弥です。弓道初心者ですが、よろしくお願いします。」




「藤原愁です。弓道は小学3年生から。よろしくお願いします。」




「えっと……、鳴宮湊です！弓道は、1、2、3、4……4年間やってました！よ、よろしくお願いします…！」





聞き覚えのある名前がいくつかでてくる。自分の番が刻々と近づく中、緊張は収まっていく。

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