心のままに 12 (ページ9)

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「で……いい話……聞きたい？」

『聞きたい！』

「なんと…！」

『なんと？』

「紅白……内定しました！」

『……！？』

あまりの嬉しさに、声が出ない。

いつか、出たいって言ってた夢の紅白……。

「ねぇ……なんか言ってよ～。

おめでとうとかないの？」

ちょっと拗ねた声に、慌てておめでとうって言うけど…

「え？泣いてんの？

マジか……

泣くほど嬉しい？」

って、弾む声の涼太。

私をギュッと抱きしめる腕の中で

ウンウンって頷くけど……

涙が止まらなくて……。

「年末ってか、年越し…？

……ひとりにさせちゃうけど……いい？」

『全然いい！むしろひとりにして！

幸せに浸りながらテレビで見る！』

体を反転させて涼太にしがみつくと

クスクス笑いながらそのまま抱きかかえてくれ、

よしよしって背中を撫でる。

「もぉー泣くなよ〜」って笑われ、

「いつまでも泣くなら、みんなに話しちゃうよ？」

って……。

泣き止んだってバラしちゃうクセに。

「年末……忙しくなるけど、

年明けは予定通りちょっとだけゆっくりできるから…

我慢してな？」

泣きながらも涼太の腕の中でウンウンって

頷いてたら、顔を上げられてキスをくれる。