卅漆節 『大人気無い』 ページ9
しかしAは好きな人に見つめられるのが耐えられす、ボッと顔から湯気を出した後、そっぽを向いて顔に手をあてながら頬をゆるゆる膨らました。
一方ジャーファルはAに顔をそらされ、「やっぱり嫌われた……」とますます悲しみと後悔に沈み、顔を両手で覆いながら再びしゃがみこんだ。
「全く……。どうしちゃったのかしら？」
一息吐いて、ヤムライハは大人げない２０代二人を正気に戻す作業に取り掛かった。
☆
なんとか顔の色を変えずに会話できるようになったジャーファルとAに、ヤムライハは結論を切り出す。
「わかりません」
実直かつ潔い言葉に、問題の解決を期待していたAはずっこけ、ヤムライハのこういう発言になれているジャーファルは苦笑を浮かべた。
「諦めることはいいことです。理解できない問題を延々と考えるよりは、今できることをした方がいいんですよ」
「はいはい」
頬を膨らませて言い訳するヤムライハをジャーファルは軽くあしらい「ってことでもう出発しますか」とAに尋ねる。
「お二人が大丈夫なら、出発して大丈夫だと思います。…………あ、でもちょっと待って下さい。一つ持っていきたいものがあるんです！」
小さく頭をさげて、Aはパタパタと屋敷の奥へ駆けていく。彼女の姿が見えなくなったころ、バタンドタンと何かが倒れる音や、小さな悲鳴が聞こえてきたので少し心配になった。
しばらくして、黒い筒を持ったAが息を切らして戻ってきた。
「その筒は？」
「我が家の家宝です！」
自慢げな笑みを浮かべながらAは筒の蓋を取り、中から巻物を取り出す。紙は少し黄ばんでいたが、どこも破れているところがなく保存状態が良さそうだ。Aは紙が破れないように丁寧に巻物を伸ばす。
「これはすごい……！」
ジャーファルが感嘆の声を漏らした。
徐々に姿を表したのは金箔がふんだんに使われた絵。初めに現れたのは大きな太陽。太陽は大地から稲をもぎ取っている。大地は枯れ果てていた。これは長い間太陽が照り続け、雨が降らず、稲が枯れてしまったことを表しているのだろう。困り果てた人々が、朱色の鳥居をくぐり黒い屋根の
「これは『狐ノ絵巻』といい、我々半狐の一族の当主の人生が自動で記されるものです」
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表ヒナタ(プロフ) - ブラッキー×リーフィアさん» 別アカですみません、裏ヒナタです。コメントありがとうございました！面白いと言っていただけてなによりです(´∀｀*)続き頑張って更新し続けますので、ゆったりお待ちください！ (2014年10月30日 20時) (
レス) id: f759972714 (このIDを非表示/違反報告)
ブラッキー×リーフィア - おもしろい！！(>∀<)/続きが気になります！！ (2014年10月28日 19時) (レス) id: d1bbfb5376 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：裏ヒナタ x他1人 | 作者ホームページ：ホムペなんてないのだよ
作成日時：2014年10月27日 15時
