卅伍節 『手を握る』 ページ7
「流れ星……やはり貴方の母上が革命の星で間違いないでしょう。ありがとう、A」
ジャーファルの優しい声がかかり、Aは内心であわわとテンパる。しかしそれを顔に出さないように一回息を深く吸って、「どういたしまして」と返した。
しかしテンパりは完全には隠せていなくて、自分の顔がほんのり桃色に染まっていたことにAは気づいていない。
「あ、あの、よければ手を離していただけませんか?」
「えっ?…………あ、あああああ!?すみません!!」
Aの指摘をうけて、ジャーファルは慌ててAの手を開放する。
彼の顔は湯でダコのように真っ赤だった。
「最悪ですね、私……会ったばかりの女の子に思いっきり触れるとか……」
「いやいや、ほんと全然気にしてませんからっ!!」
「最低ですね、ホント」
「そんなことないですってば!」
Aの言葉もろくに聞かず、すみません、すみません、ほんとすみません!と何度もジャーファルは頭を下げる。最終的に土下座されそうになって、Aが半泣きで止めると、「まるであの人みたいじゃないか……」と消え入りそうな声で呟いて、体育座りでそっぽを向いてしまった。
それをいいことに、Aも遠慮なく抑えていた思いを爆発させていただくことにする。
念のためにジャーファルと背中合わせで体育座りになり、吐き出す息と共に隠していた気持ちを一気に表(顔)に出した。瞬間、顔がほんのり桃色どころではなく、湯でダコのように真っ赤になる。
いやいやなになにどしてどしてどしていやいやでもむりむりやばやばやば!!
心の中で思いっきり叫ぶ。
訳すと「いや、何、どうしてジャーファル様は手を掴んで!?大胆すぎますよ!!いやいやいや、私が特別ってわけではなく、人って感情高ぶるとそうなるらしいんですけど。でも無理ですよあんなに手握られて真っ直ぐな目で見られるとか!ヤバイ、恥ずか死しそうだったんですよ本当ヤバイ!!」
声に出したら流石にバレるので、抑えきれない分は膝にグリグリと顔を押し付けて発散させた。
その最中にも「手、おっきかったなぁ」「ひんやりしてて気持ちよかった……」なんて考えてしまい、頭をブルブル横に振る。
振りすぎてクラクラしてしまうぐらいに振ったのに、Aの目を見据えてきたあの漆黒の瞳は脳裏にこびりついて離れない。
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表ヒナタ(プロフ) - ブラッキー×リーフィアさん» 別アカですみません、裏ヒナタです。コメントありがとうございました!面白いと言っていただけてなによりです(´∀`*)続き頑張って更新し続けますので、ゆったりお待ちください! (2014年10月30日 20時) (レス) id: f759972714 (このIDを非表示/違反報告)
ブラッキー×リーフィア - おもしろい!!(>∀<)/続きが気になります!! (2014年10月28日 19時) (レス) id: d1bbfb5376 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:裏ヒナタ x他1人 | 作者ホームページ:ホムペなんてないのだよ
作成日時:2014年10月27日 15時