【マギ】 ☆.。.:*.・.アマツキツネ.・.。.:*・ ☆ ・ ２．青空の希望

陸捨参節　『休息』 ページ38

普段は仕事に追われて王宮を走り回っているか、王に付き従ってやはり王宮を歩き回っている彼だ。手持ち無沙汰というのはどうも性に合わない。

自分も難儀な人間になったものだ、とジャーファルは笑った。



『やった久々の布団！』


幸せそうな顔で布団に飛び込むヤムライハを思い出す。ヤムライハは布団で寝るのは久々といった。つまり彼女と共に旅してきたジャーファルも、布団と対面するのは久しぶりということになる。

興味本位でヤムライハの寝顔を除いてみた。大きく寝息をたてて、心の底から気持ちよさそうに眠っている。幸せそうだった。

続いて布団に触れてみる。
柔らかくて、暖かくて、どこか安心する感触だった。



(まぁ、睡眠不足だと動きも判断も鈍るから…………)



仕事中毒気味の自分への言い訳を考えつつ、ジャーファルはいそいそと布団をひき始めた。

たまにはぐうたらな一日を過ごすのもいいかもしれない。
ヤムライハの寝顔を見たら、そんな気がしてきたのだった。

準備を終え、枕に頭を乗せると、直後に眠気が襲ってきた。





旅はまだまだ続く。少なくともAを無事シンドリアへ連れてかえれるまでは。
だから一度くらい休憩したっていいのではないか。

言い訳を続けるジャーファルは、程なくして微睡みの世界へ沈んでいったのだった。






☆;.。.:*・続く･*:.。.;☆

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